SSブログ

生まれ育った思い出深い土地「柵で囲われた国有地」誰のものだろうか・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 その風景を初めて見たのは13年前だった。住宅街の屋敷跡にポツン、ポツンと立てられた「国有地」の看板。不自然に植えられた木々。胸がギュッと締め付けられた

 場所は、若者でにぎわう街に近い北谷町砂辺。米軍嘉手納基地からとどろく軍用機の爆音に耐えきれず、生まれ育った思い出深い土地を、手放さざるを得ない住民が何人もいる証しだった

 国は復帰後、騒音の深刻な同町と嘉手納町の一部地域を対象に「希望者」の土地の買い上げや建物の移転補償をしている。こうして生まれた国有地が、この5年で加速度的に増えている(14日付朝刊)

 2008年度末で、2町合わせて259筆、旧奥武山球場4個分の8万7538平方メートル。虫食い状態で点在した屋敷跡と屋敷跡がつながって「緑地」が広がる現状は「国がどこを向いて政策をしているのか」明瞭で分かりやすい

 土地を買い取ることで住民を転居しやすくさせる一方、悪化する騒音問題は「米軍の運用」と腰が重い。この状態で、祖先から受け継いだ大切な土地を、住民が「選択」「希望」して手放したとは言えまい

 かつて沖縄は米軍基地に土地を奪われた。今は、基地の外の土地でさえ侵され、脅かされる。自宅跡が「柵で囲われた国有地」に変わる無念は計り知れない。「わした島」は誰のものだろうか。(与那嶺一枝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月28日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。