SSブログ

小さな街に、日米安全保障というあまりに重い課題・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ツルの恩返しの物語は、日本人に広く知られた民話だ。老夫婦がわなから助けたツルから美しい織物を受け、長者になる

 親や親族から受けた恵み、知人からかけられた施しに応えようと考えるのは人の情けだろう。日が没すると名護の市街地から見上げる銭ケ森(ジンガムイ)の斜面に「恩」の電光文字が輝き始める

 市内の中学を卒業した新成人が毎年、一つ一つの電球に一年への願いを込める。米軍普天間飛行場の移設先に市内の東海岸が浮上した直後の1998年は「和」だった

 賛否で分断された市民の心を一つにしたいと、若者たちは考えた。あれから十年余り。望んだ姿にはまだ戻っていない。約6万人の小さな街に、日米安全保障というあまりに重い課題を背負わされた

 この間、住民投票を含め4度も選択を迫られたが、結論は曲折し、市民には徒労感さえ漂う。容認と反対。論に隔たりはあっても「豊かな古里をつくりたい」という心の底にあるものに変わりはない。手段の違いだけだ

 明日は市長選が投開票される。市民の判断基準は基地移設是非の二者択一ではなかろう。日々の営みを支える政策の実現は欠かせない。次代を担う子どもたちが将来、今の大人たちが下した結論に「恩」を感じてくれるのか。否か。そこまで思いを馳(は)せたい。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年1月23日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。