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沖縄戦の図「おきなわ 島のこえ」65年も居座り続ける眼前の飛行場・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 走り梅雨を思わせる曇天の下でハンドルを握った。目的地は米軍普天間飛行場のフェンスに這(は)うように建つ佐喜眞美術館

 一面の壁いっぱいを覆う「沖縄戦の図」の前に立ち、言葉を失う。娘をあやめる母親、拷問される娘。青い海は血に染まり、無数の頭蓋(ずがい)骨が幾重に重なる。この一枚で戦世の不条理さが伝わる

 故丸木位里・俊夫妻が30年近く前、沖縄に滞在。民家の庭先にシートを敷き描いた。「ひざ下の石灰岩の凹凸が痛い。ここに命を落とした人々の思いがひざに伝わってくるのでしょうか。みんなが私たちの筆を動かしてくれるのです」

 同じ時期、夫妻は絵本『おきなわ 島のこえ』(小峰書店)を出版した。沖縄各地の体験者から聞き取りした事実を絵と言葉に残した。沖縄戦の図と違うのは、絵本の冒頭が恵まれた自然と文化を色彩豊かに表現している点だ

 だが、ページをめくるごとに色は失われる。あまりにむごい結末に夫妻はおじいちゃんの言葉に乗せ、孫に希望を与える。「イクサユン シマチ。ミルクユン ヤガティ(戦争も終わりゆたかな時がくる)」

 美術館の修学旅行生は絵を前に立ちすくみ、65年も居座り続ける眼前の飛行場からは輸送機のエンジンがうなりを上げる。通りからは移設を求める県民大会への参加を促す車の声が響く。(石川達也)

大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月24日 
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