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泣きじゃくる子「生まれたくないんだ」子どもらが描く夢・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 メーテルリンクの童話『青い鳥』の後半に、こんな場面がある。未来の王国で、生まれる前の子どもたちが、それぞれの親がいる地上に降り立つ順番を待っているシーンだ

 われ先にと、はやる子どもたちの中に、何故かこう叫んで、泣きじゃくる一人の子が出てくる。「いやだ。いやだ。行きたくないんだ。生まれたくないんだ。ここに残っていたいんだ」

 大阪市の小学4年生、松本聖香さんの死体遺棄事件のニュースを聞き、そのセリフを思い出した。逮捕された実母や同居人の男から虐待を受けていた事実が明らかになるにつれ、泣きじゃくる子と聖香さんが重なった

 一緒にご飯を食べることも許されず、寝るのも寒空の下のベランダだったという。わずか9歳で生涯を終えなければならなかった少女の「心の声」を想像すると、あどけない笑顔の写真を直視することができない

 先の童話では、生まれてくる子どもたちは必ず、この世に幸せをもたらす何かを持ってくるのだという。命を延ばす薬、翼なしで空を飛ぶ機械、月に隠された宝を発見する道具…。子どもらが描く発明品はどれも夢があって楽しい

 聖香さんは、ケーキ屋さんになるのが夢だったという。生きていれば、助かっていたならば、きっと世界一おいしいケーキをつくってくれたはずなのに…。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年4月30日 
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