SSブログ

「父の日」どんな苦難にもくじけない強い心を育んだ、父の厳しさ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 沖縄芝居「丘の一本松」で、息子の良助に説教ばかりしている頑固親父が、子育てについて語る場面がある

 意訳するとこうだ。両親二人で優しくすれば、子は愚か者になってしまう。逆に二人とも厳しければ、ひねくれ者になる。だから、一人が優しくすれば、もう一人は心を「鬼」にして厳しくしなければいけない。その憎まれ役を担うのが父親なのだよと

 世界ピアノコンクールで優勝した全盲の辻井伸行さん(20)の両親の姿を見て、その話を思い出した。母は、わが子の才能を伸ばそうと、徹底して褒め、逆に父は、自立できることを願い、厳しく接してきたという

 天賦の才能が花開いた裏には、本人の血のにじむような努力と、才能の芽がすくすく伸びるよう後押しした母の優しさがある。そして、どんな苦難にもくじけない強い心を育んだ、父の厳しさがあったからだと思う

 今回の快挙にも、父は「これで自分で食べていけるかな」と優しい顔も見せたが、「盲目のピアニストという言われ方をしているうちはまだ一人前ではない」と、息子が浮かれぬよう厳しい言葉を掛けた

 先の芝居で、頑固親父はアンマーにこうも漏らす。「(良助は)目に入れても痛くないほど可愛い…」と。21日は「父の日」。「鬼」のように厳しかった顔が浮かんでくる。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月18日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

伝統工芸は地元で採れる素材「琉球漆器」記録を残しておけば後世に役立つ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「漆の木に実がつきました、との伝言です」。朝、出勤すると机にそんな書き置きがある。こっちまでうれしくなる報告だ

 中城村在住の漆芸家、宮城清さん(64)が漆の木の栽培に取り組んでいることを取材したのは17年前。「10年後に夢託す」の見出しで発芽に成功した、との記事を出した後、ずっと気にしていたのである。担当記者に連絡、同行した

 17年ぶりに訪ねたご自宅。うっそうと茂る木の陰に守られるように6本の漆の木がひっそりと立っている。和歌山県経由で取り寄せた岩手県の漆の種子1升(1・8リットル)から生き残った6本だ

 「実がついたことの意味は?」と尋ねるとすぐに返事が返ってきた。「種子が採れる。次につながる。沖縄の気候に合った栽培が可能になるということ」。そして、うれしそうにこうつぶやいた。「一生、漆から離れられませんね」

 陶芸を例にとれば分かるように伝統工芸は地元で採れる素材が前提。しかし、さまざまな政治、経済状況でそうもいかないのが現状だ。漆もしかり。ほとんどが中国産に頼っているのが実情だ

 そんななかで宮城さんは本来の琉球漆器を取り戻そうとしているのだ。栽培法は琉球王府の古文書「評定所文書」に学んだ。同様に「記録を残しておけば後世に役立つ」と未来に夢を託している。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月17日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

若者のたむろ撃退システム「モスキート音」心の声も聞こえにくくなる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 若者だけに聞こえる「モスキート音」なる音があるらしい。その音を使って公園に夜、たむろして、騒いだり、設備を壊したりする若者を追い払う装置を東京都足立区が設置した

 装置は英国製で、17・6キロヘルツの高周波音を発生させる。この音は年齢を重ねるうちに聞こえにくくなるが、20代前半ぐらいまでの若者には「キーン」という耳障りな音として聞こえるという

 インターネットで検索してみると、商品として紹介しているホームページを見つけた。若者のたむろに悩むコンビニのオーナーやマンション、団地の自治会、地方自治体向けに効果をPRしている

 深夜にたむろする若者たちの存在は、確かに迷惑ではある。売り上げの減少や安眠妨害などやむにやまれぬ事情もあろう。でも、特定の年齢層をターゲットにした「撃退システム」というのは何やら不気味だ

 理由もなく集まり無駄話に時を費やした若いころの経験は、誰しも持っているだろう。足立区でも「公共施設の公園に、行政が若者を近寄らせない対応を懸念する声もあった」として、安易に設置していく考えはないという

 年を重ねると、若者が発する心の声も聞こえにくくなることがある。たむろ防止を否定はしないが「撃退」ではない方法で、解決できる仕組みが開発できないものか。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月16日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

「人手を育てられない環境」漫画やアニメは、生きている“サブ”カルチャ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 文化庁が建設費117億円を投じて計画している通称「アニメの殿堂」に、与野党の議員から中止要求が出ている

 アニメや漫画などサブカルチャーの拠点と位置付けているが、展示内容の構想さえ決まっていない。漫画の原画など収蔵品の購入予算はなく、年間運営費も試算していないのだからハコモノ行政と批判されても仕方あるまい

 1980年代には、日本の漫画の土壌を知らない欧米人から「日本人は大人でも漫画を読む」と皮肉られてきた。それが今や「ジャパン・クール(かっこいい)」と呼ばれるほどの人気ぶり。注目の作家の原画収集など、展示の中身に巨費を充てる計画であれば議論は違ったかもしれない

 一方で、指摘されながら今なお改善していないのは一枚一枚描いていくアニメ制作者たちの低賃金、長時間労働。さらには中国などアジア諸国への依存だ。基本を学ぶ場が薄ければ、業界の将来は危うい

 県内でも、国内での人手不足を補うためにアニメ制作者を育てる試みがあったが、うまくいかなかった。仕事に携わりたい若者はいるのに、育てられない環境がある

 そもそも漫画やアニメは、生きている“サブ”カルチャー。権力を持つ行政がハコモノで「保護」するより、優先すべきは若者の自由で豊かな創作活動の支援ではないか。(与那嶺一枝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月14日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

風景のスッキリ感、街としてのコザは、いったいどこへ流れていく・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 胡屋十字路の空が広くなっている。歩道橋が撤去され、スクランブル交差点になったから、という理由だけでもなさそうだ

 目抜き通りの電線が地中化されたせいもある。4年前に撮った写真と見比べると、競うように掛かっていた消費者金融の看板さえ減っている。風景のスッキリ感は、何かしら経済的な活気を失いつつある一面を映すように感じる

 記憶を復帰前後まで戻す。映画館の並びに、ナショナルやコカコーラの大きなネオン看板があった。夜のセンター通りには、ボーイの呼び込み「フロアショー」が手拍子に乗ってにぎやかに響いた

 筆者は当時、中学生だったが、ビール屋を営む部活の先輩を手伝い、開店直後までバーやクラブに配達した。度肝を抜かれたのはハードロックを生で聞かせるCANNON、自然の岩壁をそのままステージの壁に使ったFIRE

 まさにROCKだ。演奏中に岩のすき間からハブが出て大騒ぎになったという話も。やがて外人相手の商売はすたれ、この場所に建ったのがコリンザ。キーテナントの撤退で、経営は先行き厳しい

 にぎわうコザの面影を残すのはゲート通りくらいか。次々とデビューする若いミュージシャンらには音楽の地下水脈が流れている。だが、街としてのコザは、いったいどこへ流れていくのだろう。(山城興朝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月13日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

勝利至上主義「勝ち」よりも、その存在する「価値」の重要性・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 スポーツにおけるプロとはどういうものだろう。プロの存在意義とは、いったい何なんだろう―。そんなことを考え、気づかせてくれる有意義な時間だった

 先日、プロバスケットボールbjリーグ・琉球ゴールデンキングスの木村達郎GMと話す機会があった。「10年間勝ち続けることができるか」という私の質問に木村GMはこう返答した

 「ほかのスポーツでも10年間勝ち続けたチームがありますか」。さらに「一般の人から同じことを聞かれたら『頑張ります』と言いますが、スポーツ報道に携わる方からそんな質問が出るとは思わなかった」。頭を殴られたような衝撃を受けた

 木村GMは「10年間、優勝を狙えるチームをつくることはできる」とも話した。勝つことの難しさを知るからこその答えだろう。勝てばもてはやすが、負ければそっぽを向く。スポーツ報道は安易に「勝利至上主義」に走る傾向にある。そんな私自身の姿勢を突いたものだと感じた

 「プロとして、いかに地域に愛されるチームをつくるか」「どうすれば、子供たちに夢と希望を与えることができるか」。木村GMは熱く、本音で語ってくれた

 「勝ち」よりも、その存在する「価値」の重要性。そのとき受けた衝撃を、今後の報道に生かしていきたい―と、深く心に刻んだ。(船越三樹)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月12日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

「心に響く三行ラブレター」手を合わせて私を拝むのは止めておくれ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 全国公開中の映画「60歳のラブレター」が好評という。還暦を迎える3組の熟年カップルの喜怒哀楽を描いた物語である

 新婚旅行先で妻が30年後の夫にあてて書いた手紙が、時を経て夫の元に届けられる。「恋文」が、離婚を決意した夫婦のわだかまりを解きほぐしていくシーンは、多くの方の頬をぬらしたのではないか

 ラブレターといえば、「世紀のラブレター」(梯久美子著)に、明治から平成までの著名な作家、タレント、政治家、軍人ら58人の人間味あふれる恋文が収められている

 「段々日が立つと国の事を色々思ふ/おれの様な不人情なものでも頻りに御前が恋しい」。文豪・夏目漱石が留学先の英国から妻にあてた手紙も、人間臭さが漂い、味わい深い

 日本語文章能力検定協会が募集する「心に響く三行ラブレター」にも毎回、心に残る名作が多い。「妻よ、誤解するなかれ/愛情は、冷めたのではない。固まったのである」(42歳・公務員)。ほろ苦い思いがこみ上げ、うなずく方もいるだろう

 63歳の夫が妻にあてた次の一遍も胸に染みる。「手を合わせて私を拝むのは止めておくれ/君は、今までずうっと私を支えてくれたじゃないか/こんな介護ぐらい何でもないよ」。素直な思いを言葉に託す時、人は文豪をもしのぐ。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月11日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

白黒写真から先端技術を駆使し、琉球絵画復興への道・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 山梨県立美術館の目玉、ミレーの作品に別の絵が描かれていたと話題を呼んだことがある。それを彷彿させる話を聞いた

 歴代琉球国王の肖像画を御後絵という。残念ながら沖縄戦で行方知れずになっている。それを復元しようという事業が進行していることをご存じだろうか。首里城公園友の会(前田孝允会長)が東京文化財研究所に依頼して始まった

 先週土曜、首里のホテルでその中間報告があるというのでお邪魔した。X線で元素を特定するなど先端技術を駆使した調査、研究にはワクワクさせられるものがある。その概要を紹介してみる

 前述の通り、御後絵は1点も現存しないが、沖縄文化を研究していた鎌倉芳太郎が戦前、撮影した10点が残されている。戦前のことだからもちろん白黒だ。それから色を特定することはできないか、という実に壮大な事業なのである

 その重要な手がかりになるのが県立博物館・美術館に所蔵されている「孔子像および四聖配像」。おそらく琉球王府の絵師によるものと考えられ、鎌倉の写真と構図的にも共通するからである

 調査の結果、沖縄には本土より早く中国の顔料が入っていたこと、孔子像の左右を別の絵師が描いたらしいこと、その技量が高いことなどが判明した。琉球絵画復興への道を期待させる報告だった。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月10日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

「消費者」猛獣のいる大草原に放り出された小動物ような存在・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 その男の話に耳を傾けていると、時間はあっという間にたっていた。「当社の派遣する家庭教師とこの教材で、お子様の成績は飛躍的に上がります」

 男が訪ねてきたいきさつは忘れたが、セールストークの巧みさだけが鮮明に記憶に残っている。対面している間、男が忠実に再現しているであろう「マニュアル」の存在を思い浮かべていた

 県内市町村に消費者相談窓口があるのは6市のみで、全国平均の7割を大きく下回っているという(本紙8日付社会面)。消費者はまるで、猛獣のいる大草原に放り出された小動物ような存在だ

 「県内はマルチ商法の草刈り場。多重債務、中高年の高い自殺率など事態は深刻」と、調査した市民団体は指摘する。専門知識を持たない消費者が、不正商法から身を守るすべは一般的に言って多くはない

 架空・不正請求、高額商品の訪問販売、マルチ商法、食品の不正表示や商品事故など消費者を取り巻く状況は危うい。行政は立場の弱い消費者を孤立させない役割を担う。今秋にも発足する消費者庁には、きめ細かく実効性ある施策を要望したい

 冒頭の話に戻ると、契約をせかす男に「しばらく考えさせてくれ」と言った。すると、それまでの熱心さは消え、そそくさと引きあげていった。その後、男からの連絡はなかった。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月9日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

更生する意志「受け身」の生活では社会で生活する力が退化する・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 犯罪者が更生する道は十分に開かれているのか。妻と娘が強盗殺人の犠牲になった馬淵隆一マブチモーター会長の提言の記事を読んで考えさせられた

 会長は、逮捕された男2人が刑務所で知り合い出所後の犯行を計画していたことから、再犯防止には「出所後の住まいと仕事の確保が鍵」と指摘。服役期間を社会復帰のための勉強などに充て、自立できるまでの中間施設の設置を提言した

 あまりに身勝手な行為によって家族を殺された人の心は悲しみや憎しみにのみこまれやすい。身を引き裂かれるような煩悶や葛藤を乗り越え、犯罪のない社会のあるべき姿を提示した姿勢に敬服する

 出所後に再び刑務所に戻ってくる受刑者は多い、という。偏見にさらされ、希望する仕事にも就けず捨て鉢になるのか。服役中は、さまざまな職業訓練があるが、うまく実を結んでないのが現実だ

 自身服役した体験を持つ元衆院議員の山本譲司さんは、一つ一つの行動を管理され続ける(刑務所の)生活では「受け身」になり、社会で生活する力が退化すると述べている(4月14日付朝日新聞)

 厳罰だけでは犯罪は減らない。長い目で見れば、塀の内外できちんとしたプログラムの確立が不可欠だ。更生する意志を信じ、人生をやり直す門戸が十分開けた社会でありたい。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月8日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。