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家事や介護でいらだつ男たちの孤立、改善できない社会・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 好天に恵まれた夏のある日。リハビリの散歩に出掛けるため男性が妻に選んだTシャツはヒマワリがプリントされた、さわやかな絵柄だった

 半身と重度の知的障害が残った妻への丁寧な介護のいったんは、それだけではない。西に傾いた日差しの下、妻に向き合って励ましの声を掛けながら後ずさりに歩く。片手で差す日傘が妻の顔に日陰をつくっていた

 夜中は、トイレへ案内した。飲み会がある日は、途中でこっそり抜け出して自宅に戻り、寝ている妻の肩をたたく。妻が病に伏すまで「一切家事をしない仕事人間だった」男性が生き生きと介護をしていた

 高齢者への虐待報告が2008年度も増えた。被害者の82%は女性で、身体的な虐待が67%を占める。虐待したのは息子が56%、配偶者23%と続く。同居の家族によるものが多く、この傾向は前年度とほとんど変わっていない

 その背景もほぼ同じ。「介護負担による心身のストレス」「失業による経済困難」「高齢者の年金に頼った生活」。家事や介護でいらだつ男たちの孤立する姿が透けて見える

 先の男性は妻への愛情もたっぷりあったが、上手にデイサービスを利用して、厳しく注文を付けていた。虐待を防ぐために整えるべき体制やサービスが分かりながら改善できない社会になっていないだろうか。(与那嶺一枝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年5月31日 
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