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皇帝の血、世が世であれば、龍の爪は5本「墨龍図」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 那覇市おもろまちの県立博物館・美術館。正面入口から入り左手の壁を見上げると一番高い場所に龍の絵が飾られている

 中国出身の画家、王昭さん(59)の「墨龍図」である。縦4メートル横8メートルの堂々たる大画面。中国歴代皇帝の権力の象徴としての龍と日本人の精神的よりどころとしての富士山が描かれている。でもよく見るといろいろと考えさせる絵だ

 王さんは「世が世であれば」という人だ。清朝最後の皇帝、愛心覚羅溥儀の妹の子にあたる。歴史の大きな転換期に思春期を過ごし、1982年になって日本へ留学、東京芸大で日本画を学ぶ

 師事したのは、日本画の大家で中国を描いた作品も多い平山郁夫。あの周恩来の口添えで留学が実現したという。王さんは満州民族、周恩来は漢民族。革命と民族の壁を超えて若い人材に目をかけた懐の深さが語りぐさになっている

 話は戻って「墨龍図」。歴史的に見ても龍の爪は沖縄では4本。それは中国に敬意をはらう意味がある。さすがに王さんの龍は5本。皇帝の血を継ぐ人だから描ける。問題は龍と富士の大きさ

 画面中央を圧する龍の大きさに比して富士の貧弱さが気になる。日中関係に良くないのではないか。ご本人に聞くと答えがふるっている。「でも富士は上にあるでしょ」。王昭展は同館で28日まで。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月3日 
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