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鎮魂の思いを込めて「悼む人」愛し愛され、感謝された人たち・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 立ち木を揺らすようなせみ時雨も、し者を弔う静寂を演出する。私たちはきょう、多くのし者と向き合う。それはこの島に生まれた者すべてがかかわるものだ

 直木賞を受賞した小説「悼む人」(天童荒太著、文芸春秋)の主人公は、事件や事故の現場でし者を悼む旅を続ける。そしてし者を知る人々に問いかける。誰を愛し、愛され、何をして感謝されたか―と

 碑に刻まれた幾多の人々もまた、愛し愛され、感謝された人たちだ。島の各地で、戦没者を知る人や子孫らが、そのしを悼む。想像を絶する苦難の中にいたであろうことへの鎮魂の思いを込めて

 天童さんは米同時テロの報復攻撃に対し「本当の意味でしが悼まれていない」と感じた。それが「悼む人」執筆のきっかけになったという。沖縄戦の悲劇を繰り返させないために、私たちは「悼み」続けるしかない

 生き延びた人たちの語る体験を聞くこともし者を悼む行為の一つではないか。封印してしまいたいはずの辛い記憶。その扉を必しで開けようとする人たちの思いにもこたえたい

 しかし、世界で紛争は絶えない。外電は連日のように武力やテロによる犠牲を伝える。し者は数として報じられるがしに軽重はないはずだ。一人一人が誰を愛し、愛されたか、きっと誰かが問うていたはずだから。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月23日 
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