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平成の徳政令「借りた金は返す」警戒を強め、さらに貸し渋り・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 社会風刺をテーマにした演目の多い立川談笑の新作落語に次のような話がある。江戸時代を舞台にした旅人と宿屋の主人の知恵比べが題材だ

 旅人を丁重に出迎えた主人がこう切りだす。「最近、このあたりは何かと物騒なことが起きております。貴重品などは私どもにお預け下さい」。旅人は、疑いもなく所持金や貴重品を差し出す

 しばらくして部屋にきた主人はこう告げる。「先ほど、徳政のお触れが出ました。これで、お預りした金品は返さなくてもよくなりました。ご了承下さい。何せ、徳政のお触れですから」。演目を「徳政宿」という

 こんな光景が現実になるのだろうか。亀井静香金融相がぶち上げた、中小企業や個人の銀行借り入れの返済を猶予する構想が波紋を広げている。鎌倉幕府などが御家人の借金を帳消しにした徳政令になぞらえ、「平成の徳政令」とも呼ばれている

  銀行業界の困惑は当然で、鳩山政権でも亀井氏の独走だけが目につく。苦境の借り手には朗報かもしれぬが、警戒を強めた銀行がさらに貸し渋りに走れば、逆に状況は悪化する可能性さえある

 先の話は、旅人が「ならば、私が借りているこの宿も返さなくてもいいんだな」と切り返してオチとなる。温かみのある「徳政」も、「借りた金は返す」という社会常識が前提だろう。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月1日 
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