生活習慣、年月を重ねると無視できない大きな力を持つ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華

　蛇口に手を当てているのに水が出てこなかったり、ドアの前に立ったのに自動で開かなかったとき、それが普通なのに「はぁ？」と思ってしまうことがある

　なんでも機械任せ、他人任せにしていると、ささいなことまで面倒になる。逆に、ジョギングなど日常的に体を鍛え動かしている人は、それをやらないことのほうが苦痛になるというから、慣れというのは恐ろしい

　一口に生活習慣というが、年月を重ねると無視できない大きな力を持つ。１日２回以上歯を磨く人が、食道や口の中のがんになる危険性は、１回の人より３割も低いという研究結果を愛知県がんセンター研究所がまとめた

　口の中には発がん物質「アセトアルデヒド」を作る細菌がすみついているが、朝晩の歯磨きが細菌を洗い流すため、予防に効果があるというのだ。全く磨かない人のリスクは１回の人の１・８倍、２回以上の人の２・５倍にも

　本紙健康面「県歯科医師会・歯の長寿学」でも、歯垢（しこう）に巣くう歯周病菌が歯茎の毛細血管から全身に回り、心臓病や糖尿病、誤嚥（ごえん）性肺炎、骨粗しょう症など重大な病気につながることを度々指摘している

　成人の約８割が歯周病だという。痛い虫歯を予防するためだけでなく、がんや歯周病を意識した口腔（こうくう）ケアを、新たな生活習慣に加えていきたい。（平良秀明）

　大弦小弦　沖縄タイムス 2009年10月2日　
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