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スマトラ沖、大地震が立て続けに起こり、復興への道は寸断されたまま・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 石垣島に古くからの伝承がある。網にかかった人魚が漁師たちに命ごいをして助けられた。人魚はお礼にこう告げる。「大きな津波が来るので山に逃げてください」

 あわてた漁師が村人に予告を伝えたが、多くの人は信じなかった。1771年4月、大津波が島を覆い、1万人余が犠牲になった。明和の大津波とも呼ばれる被害の爪痕(つめあと)は残り、島の東部や宮古島には巨大な岩が打ち上げられている

 スマトラ沖地震の被害が深刻だ。今なお数千人ががれきの下敷きとなり、一刻も早い救助を待っている。島の周辺では2004年以降、大地震が立て続けに起こり、復興への道は寸断されたまま

 とりわけマズしさが被害を拡大させている現実を見逃してはならない。ヒンコン層の家は鉄筋も使えず、れんがをセメントでつなぎ合わせているだけだという。「耐震性」とはほど遠い造りだ

 地の底に存在する想像を絶する力は人の営みを一瞬にしてのみ込んでしまう。地のうねりを抑えこむことは不可能でも、被害を最小限にする手だてはあろう

 関東大震災が起きた後、こんな言葉がはやったという。「この際だから」。それまでできなかったことを実行に移す。石垣島の人魚のように、有り難いお告げが期待できぬなら、せめて現地から届く被災者の声にもっと耳を傾けたい。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月3日 
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