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不満を飲み込み、曖昧な対応こそが「円満」の秘訣という過去の惰性から脱する・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「赤い糸、夫居ぬ間にそっと切る」。有料老人ホーム協会が毎年公募する「シルバー川柳」で過去に入選した一句である

 熟年夫婦間のブラックジョークなのだろうか。男性側の弱みを見事についた秀逸な句で、亭主関白を気取る世の男性陣にとっては、思わずドキッとしてしまう、この上ない脅し文句に聞こえる

 いささかとっぴであるが、戦後の日米関係を「夫婦」に重ねて考えてみる。同盟という契りを結んで以来、日本という国は、傲慢(ごうまん)な「夫=米国」に翻弄(ほんろう)され、不満があっても口にはしない、従順な「妻」を演じてきた

 こんな関係を見直そうと登場したのが、「対等な日米関係の構築」を掲げる鳩山政権である。だが、自ら打ち上げた普天間飛行場の県外移設に対し、「日米合意は変更できぬ」という高圧的にも映る米側の対応に、早くも腰が引けた感がある

 来年は日米安保条約が改定されて50年になる。鳩山首相は代表質問に対する答弁で「日米同盟のあり方全般について包括的なレビュー(再検討)を行いたい」と表明、普天間問題はその試金石になろう

 50年といえば、夫婦なら「金婚式」を迎える歳月である。不満を飲み込み、曖昧(あいまい)な対応こそが「夫婦円満」の秘訣という過去の惰性(だせい)から脱する時である。先の「脅し文句」をそっとつぶやいてみるのもいい。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年11月5日 
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