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縦割り行政の弊害や、天下り団体が間に入ることで高コストになる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 沖縄の長寿をおびやかしているのは肥満で、肥満の主な原因は食事で、健康な食生活には「食育」が大事―。長寿問題を取材すると、大体こうした結論に落ち着く

 食育は今後の日本の重要課題のように思える。しかし、農林水産省が17億円、文部科学省が5億円を要求した来年度予算は、行政刷新会議の仕分け作業で「予算縮減」と判定された

 各省庁がバラバラに取り組む縦割り行政の弊害や、天下り団体が間に入ることで広報用の冊子やシンポジウムが高コストになる点などを、仕分け人は見逃さなかった

 先月27日の朝日新聞にも、食育を批判する一文が載った。投稿した群馬県の女性(45)は、無駄な冊子を作る金と労力を学校にそそいでヒン困家庭に対応するよう訴え、小学5年生のころの悲しいエピソードを添えた

 家庭科の授業で朝食の中身を問われ、本当は冷たいご飯とゴマ塩だけだったのに、サラダにベーコンエッグ、ジャムトースト、牛乳と理想的な回答をして、先生に褒められたというのだ。女性は「栄養素を教えられて分かっても、どうにもできない家庭は昔も今もある」とつづる

 食育支援者は時給5600円で、冊子を作る天下り役人の年収は1000万円を超えるという。どこに予算を配分し、誰を教育すべきか、明白ではないだろうか。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年12月4日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

自分との勝負、走り終えて、自分に誇りが持てるかどうか・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 昨年の秋、出張の折に東京国立近代美術館へ足を延ばしたことがあった。開館時刻にまだ間があったので一帯を散歩した

 そこは皇居の周辺で、朝からジョガーの姿が目についた。思い思いのスタイル。ファッションも楽しんでいる様子が印象的だ。二の腕に巻きつけた再生器からイヤホンを延ばして好きな音楽を聴きながら走っている人も見受けられる

 長距離ランナーとして知られる作家の村上春樹さんは走りながら聴くのはロックがいいと言っている。ジャズも聴くことはあるが、走るリズムに合わせる伴奏音楽としてはロックが一番いいと

 何となく分かる気がする。軽快なリズムと激しいビートが自分のモチベーションを上げてくれそうだ。「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋)で、書いている。40代後半でフルマラソンを3時間半で走ったそうだ

 マラソンは自分との勝負だといわれる。世界的な大会で優勝できなかった選手がインタビューに答えて自分では満足したと語るのもきっとそれなのだろう。テレビで見ている側は残念なのだが

 走り終えて、自分に誇り(あるいは誇りに似たもの)が持てるかどうか、それが長距離ランナーにとっての大事な基準になると村上さんは書いている。NAHAマラソン間近。健闘を祈りたい。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年12月2日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

暮れていく年を振り返り、さまざまなBGM、期待と不安をないまぜに暮れていく・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 実感を置き去りにしながら月日は足早に過ぎて、はや師走の声を聞く。暮れていく年を振り返り、新たな年に希望を託す。そんな12月は、さまざまなBGM(バックグラウンドミュージック)に彩られる

 イルミネーションをまとった街は、歳末商戦のかき入れ時を迎え華やぐ。消費を盛り上げるのは、アップテンポのクリスマスソング。ただ、気になるのは政府のデフレ宣言。さらに円高などもあり、軽快なリズムに乗れるか

 予算の無駄を洗い出そうと政府が実施した「事業仕分け」。舌(ぜっ)鋒(ぽう)鋭く官僚らを問い詰め、次々と「無駄」をあぶり出す様子は勇ましい刑事ドラマのテーマソングが合う。続く2011年度予算編成も同様の勢いを保てるかは未知数だが

 辛くやるせない事件は、暮れゆく年の瀬を心細いものに変える。中学生による集団暴行シ事件、ホームレスの背景にある格差、ヒン困。頭の中に流れるのは切ないメロディーのバラードだ

 例えばジョン・レノンの「イマジン」。「世界が一つになることを想像してみよう」と歌うこの曲、厳しい現実と向き合いながら希望を持ち続けるという意味で、年末のBGMに似合うと個人的には思う

 世界不況や政権交代を経て至った09年末。現状を変えたいという思いを抱きつつ、期待と不安をないまぜに暮れていく。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年12月1日 
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掌「たなごころ」世界の心をつなぎ扉を開く鍵でありたい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 一昨年亡くなった作詞家の阿久悠さんは、自分の手が小さいことに何かしら引け目を感じていた。小さな手は掴(つか)む物が少ないと感じ、大きな手の人と握手したときに怯(ひる)むこともあったらしい

 しかし、小さな手が編んだ5000曲以上の詩で、多くの人の唇は喜びに弾んだ。「大きな手の人に掴み取る分量で負けるが、世界を開く鍵だと思うと、大きさは関係ない」(「“手”をめぐる四百字」文化出版局)。名曲を生み出した作詞家らしい

 先日、交通事故の後遺症で手話に影響が出たなどとして争われた裁判があり、名古屋地裁は「手話は言語活動」と認めた(本紙26日紙面)。手話が話し言葉同様という意義ある判決だった

 聴覚障害者にとって、手話は他人と心を通わす数少ない手段。手話が分からぬ身にとっては、左右の手の動きは舞のようにも見え、言葉が発せられているかと思うと、神々しくもある。判決が障ガイ者への理解を深めるものであってほしい

 「たなごころ」とも読む掌(てのひら)。手には心が宿るのだろう。開けば包むぬくもり、握れば拳の強さにもなる。ときに乱暴で、ときに艶(つや)めき、そしていじらしい

 文明の発展に手を尽くし、戦争にも手を染めた人の手。過去を映し未来を探る。使い方を誤ることなく、世界の心をつなぎ扉を開く鍵でありたい。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年11月30日 
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来春の女子プロ野球リーグ開幕「プレーボール」が待ち遠しい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 米映画「プリティ・リーグ」は、先の大戦中に創設された全米女子プロ野球リーグを題材にした作品。観客からヤジを浴びたり、仲間の夫の戦シに耐えながらのプレーは切なくもあったが、白球を追う彼女たちはまぶしかった

 見るだけでなく競技するスポーツとして、野球に魅せられた女性たちは少なくない。県内の少年野球チームでも男子に交じって汗を流し、ひたむきに練習に励む女子選手たちがいる

 ただし活躍の場が限られるため、成長とともにほかの競技へ転向することが多いようだ。野球への情熱はあっても、目標とするステージがなければなかなかすそ野は広がらない

 来年4月、女子プロ野球リーグが開幕する。入団テストの結果発表された30人の入団選手の中には、松島中学校(那覇市)出身の新原千恵選手(23)の名も。尚美学園大(埼玉)女子硬式野球部所属の外野手だ

 チームのホームページをのぞいてみると、好きな選手はイチロー選手、好きな言葉は「なんくるないさー」とある。精神的にタフそうで何とも頼もしい

 折からの不況でスポーツを取り巻く環境は厳しい。新しく加わる女子プロ野球リーグも順風ばかりではないことが予想されるが、全国の野球少女たちが夢舞台の船出を見守っている。来春の「プレーボール」が待ち遠しい。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年11月29日 
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傍観者にならない活動「君を守り隊」人間関係が崩れないうちに・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ハブる。ハブられる。沖縄に生息するドク蛇をもじった造語ではなく、特定の人を仲間はずれにするムラ八分が語源の若者言葉

 重松清さんの短編小説「ワニとハブとひょうたん池で」の主人公ミキは14歳。前触れもなく級友から「ハブられた」。ハブる側はゲーム。陰湿な仕打ちで何度となく心が折れそうになるが、「仲良くしようなんて思うからつらくなる」と気丈に振る舞う

 親や先生に相談することを「そんな恥ずかしいこと、できるわけない。プライド」と。大人はそんな思春期の心情を忘れ、「すぐ相談しなさい」なんて平気で言うから始末に負えない

 県内で同じ世代が友だちをシに至らしめる悲惨な事件が起きたが、犯行内容にやりきれなさが募る。体格はほぼ大人と同じだが、心はまだまだ子どもなんだと

 ミキの言葉に耳を傾ければ、大人の私たちは子どもたちを誤解してはいないだろうか。思春期の心を理解し、彼ら、彼女らと接しているか。学校だけの問題ではない

 茨城県の下館中学校は15年前に生徒会を中心に「君を守り隊」を結成。生徒ほぼ全員が傍観者にならない活動を続け、保護者や地域にまで効果が波及しているという。教師の坂入秀範さんは「根絶は無理だが、人間関係が崩れないうちに手が打てる」という。知恵を絞れば手がかりはある。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年11月28日 
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人は誰でも変わる可能性がある、更生したら全部ご破算になるとは思いたくない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 日本人って実はヤンキー(不良)が好きなのではないか。正確に言うと、昔はかなりのワルだったが、立派に更生した元ヤンキーを支持する傾向があると思う

 1億万部以上を売った漫画「スラムダンク」や映画にもなった「ルーキーズ」の大ヒット、元ヤンキーを公言してはばからない芸能人や教師らの世間でのポジションを見ても好感ぶりがうかがえる

 人は誰でも変わる可能性があるし、立ち直ってまっとうな人生を送ることは素晴らしい。だからこそ、「こんな俺(おれ)でも」といったストーリーが共感を呼ぶのだろう

 介護の世界では「ヤンキー系」が活躍している(16日付シニア面)。茶髪盛りヘア、デカ目メーク、休憩時間は「ウンコ座り」でたばこ。一般的な介護職員像とは程遠いが、根が優しく、お年寄りに愛されているという

 県内の介護事業所の代表曰(いわ)く「介護は頭よりハート」。元ヤンキーに限らず、キャリア志向、学歴偏重社会に生きづらさを感じていた人たちが、弱者であるお年寄りに寄り添ういい介護をすると評価する

 金銭せびりやいじめなど、筆者も人並みにヤンキー被害を受けた口で、更生したら全部ご破算になるとは思いたくない。それでも、未来ある若者がまず道を外さず、認められ活躍できる場をつくるのは我々(われわれ)大人の役割だと思う。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年11月27日 
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夢かなう「青いバラ」夢を追うこと、夢を諦めないことの大切さ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 サントリーが世界で初めて開発した「青いバラ」の販売が3日から首都圏で始まり、予約が殺到しているという

 バラには青い色素をつくる能力がなく、バイオ技術を活用し、青色をつくる遺伝子をパンジーから採り入れたのだという。同社が研究開発を手がけ、発売までに実に約20年の歳月がかかっている

 開発までは失敗の連続だったという。研究者たちは、幻の花を咲かせたいとの情熱の芽を自ら摘むことなく、汗と涙も肥料にして大輪の花を咲かせたのだろう。今回の開発に伴い、青いバラの花言葉は、「不可能」から「夢かなう」に変わった

 夢がかなうといえば、今年4月、英国のオーディション番組で美声を披露し、一躍有名になったスーザン・ボイルさん(48)の名が浮かぶ。きのうから発売された初アルバムは、英国や米国などで過去最高の予約数という

 あか抜けない風貌(ふうぼう)で審査員らの失笑を買ったが、驚異的な歌唱力で感嘆に変えたシーンは痛快だった。「不可能」と陰口をたたかれても、歌手になるという夢を諦めなかった彼女の芯の強さには惹(ひ)かれる

 中年の筆者には、「夢」といえば、いびきをかいて寝床で見るか、宝くじに託す程度になってしまった。夢を追うこと、夢を諦めないことの大切さを、青いバラと「遅咲きの歌姫」が教えてくれる。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年11月26日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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