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「年賀状」新年への希望を知人や友人らと分かち合いたいとの思い・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 作曲家で随筆家だった團伊玖磨さんは生前、年賀状を書くのを嫌がったという。年賀のあいさつは直接出向くもので、はがき一枚で済ませるのは無礼にあたるという考え方だ。届いた賀状にも目を通さなかったという

 一方、作家の池波正太郎さんは毎年千枚以上も出していた。朝日新聞社出版の随筆集に「年に一度も会わぬ知人も多い。自分で書き、その相手の名をみて旧交をなつかしくおもいうかべるのはうれしいこと」とある

 非礼か無礼かは別に、今年の元日に約20億枚が家庭や企業などに届いたというから、新年への希望を知人や友人らと分かち合いたいとの思いがあるのだろう

 かくいうわが身は團さんのような確固たる信念を持ち合わせず、無精から松の内を過ぎてもせっせと返礼を書いている。もう「寒中見舞い」だが、お世話になったあの人を思い浮かべ、ペンを走らせる

 いただいた賀状は長引く不況や米軍基地問題への言及が多かった。その中で、60歳をすぎたIさんからの一枚にはほおが緩んだ

 「花には水を ◯◯には愛を 仕事は厳しく 人生は楽しく」。◯◯には奥さんの名前が記されている。「心美しい人が安心して暮らせるようボランティアに頑張る」と続く。閉塞(へいそく)感が漂う中、明るさを失わずに前に進もうとする姿勢に励まされる。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年1月9日 
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