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めくるめく物語「国民読書年」本の味わいは年齢によっても違う・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先日、自宅から徒歩10分ほどの場所に本屋が開業した。長く本屋らしい本屋がなかった地域に待望のオープンだ

 列をなす棚に整然と並ぶ本。こちらに背を向けつつ、書かれたタイトルはしっかりと自己主張している。何げない題名もページをめくれば、個々の作家が精魂込めて紡いだ、めくるめく物語世界が広がる

 藤沢周平さんの時代小説を読めば、武家や長屋で倹(つま)しく生きる人物たちの忍耐強さに勇気づけられる。宮部みゆきさんや東野圭吾さんらのミステリーには、ページを繰る手を止められず夜が明けるのも忘れる魅力がある

 ことしは「国民読書年」。出版事情は厳しさを増すが、ケータイ小説などの登場で若者にも活字が親しまれるようになった。店員が手書きで魅力を紹介する書店も多い。文庫本ならワンコインで未知の世界に浸ることも可能だ

 本の味わいは年齢によっても違う。自らの道を歩み始めた若い方には、生き方や自分探しの拠(よ)り所にもなろう。人生の機微をある程度知る年齢になり、そのときの境遇と重ね合わせ心を震わす物語もある

 とりわけ、子どものころ読んだ本は忘れがたい。家庭でも読書をする環境を大切にすれば、子どもは自分で考え道を切り開く力を身につけるはず。一生の宝物と言えるような良書との出合いを願う。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年1月11日 
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