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努力を怠らなければ可能性は広がる。そんな勇気や励ましを与えてくれる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 圧巻のゴルフだった。米女子ツアー開幕戦で、6打差を逆転し、2勝目を飾った宮里藍さん。2位の選手に「どうしようもない」と言わしめる強さだ

 ジュニア時代から活躍し続けてきたが、体格や練習環境に恵まれていたわけではない。むしろその逆といっていい。才能があるのは間違いない、それよりも目標に向かう意志の強さに感服する

 国内ツアーでは満足せず、世界に挑む。長いスランプを乗り越えて昨年7月、念願の米ツアー初優勝を果たした。常に高い目標を掲げ、努力を欠かさない。その過程を多くの県民が知っているだけに、活躍をわがことのように喜ぶのだろう

 人はスポーツ選手の姿に自らの境遇や生き方を重ね、喜んだり、励まされたりする。飛び抜けた才能だったり、こつこつと努力を重ねる姿だったり。負けてもなお挑み続ける姿に勇気をもらうこともある

 小さな体で奮闘する藍さんには、どうしても「沖縄」を重ねてしまう。条件に恵まれなくても強い意志を持ち、努力を怠らなければ可能性は広がる。そんな勇気や励ましを与えてくれるようだ

 父親の優さんはトップをとる人になってほしいとの思いから、辞書の一番先に来る名前をつけたという。「Ai Miyazato」が世界の頂点に立つ。その夢が遠くないことを予感させる。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月23日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

歓喜と落胆のコントラスト、生身の人間の躍動に心が揺さぶられる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 世界一を競う闘いが連日、バンクーバーから伝えられる。中でもフィギュア男子は、選手の勝負へのこだわりがにじみ出て興味深かった

 「4回転ジャンプを跳ばないのはアイスダンス」と、銀メダルのプルシェンコ選手(ロシア)が言えば、封印して金を射止めたライサチェク選手(米国)は「ジャンプコンテストなら10秒で競える」と語り、何を見せるかが大切だと強調したという

 日本男子初のメダルをもたらした高橋大輔選手は、4回転には失敗したが、得点は8項目中、ステップや技のつなぎなど4項目で最高点。流麗という形容詞がふさわしい演技力は世界の頂点であることを証明した

 演技中に靴ひもが切れた織田信成選手は、試合前から切れていたが替えなかった。靴の締まり具合が微妙に変わるのを避けたという。世界を舞台に闘う繊細な感覚には驚かされる

 選手を見ていると、頂点を目指して日々鍛錬し続けた者にしか分からない世界観を感じる。鋼の肉体と強靱(きょうじん)な心を備えての本番。コンマ何秒、距離にして数センチのせめぎ合い

 持てる力を存分に発揮する一方で、わずかなほころびから勝利を逃す。自信が過信を招き、不安がほどよい緊張を生むこともある。歓喜と落胆のコントラスト。まぎれもない生身の人間の躍動に心が揺さぶられる。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月22日 
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子どもを生み育てる環境づくり、幼い子どもを抱えて働く親たち・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 桜が満開のころか、あるいは緑葉が目立ち始めたころだったか―。7年前のことで記憶があやふやだが、希望する保育園に息子が入園できるかヤキモキした日々を思い出す

 育児休業も終盤に入り職場復帰の時期が近づいていた。おそらく大丈夫だろうと楽観視しつつ、周囲から伝え聞く厳しい状況に不安も感じていた。内定通知にひとまず安堵(あんど)したのを覚えている

 認可保育園への入所を待つ「待機児童」の問題がなかなか解決しない。そのため「年度途中では入所が困難」と新年度に合わせて、育児休業を切り上げる決断を迫られた親たちがいる。公的助成が少なく厳しい運営環境に置かれた認可外園を頼る親も多い

 うるま市が、18歳未満の子どもに対する事業に活用できる「うるま市こどもゆめ基金」を創設する方針を固めた。この基金を使い、認可園の増改築や認可外園の認可化などにも取り組むという

 県などによると子育てに特化した基金は県内で初めて。各自治体とも厳しい財政事情の中で、安心して子どもを生み育てる環境づくりに力を入れるその姿勢は、市全体の活力につながることだろう

 本来、幼い子どもを抱えて働く親たちが保育園を利用するのは当たり前のこと。その仕組みに「サクラサク」ばりのハードルがある現状は明らかにおかしい。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月21日 
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「子どもの今」可能性を摘み取り、狭める社会になりつつある・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「このままでは家族が壊れてしまう。会いたくなる」。本紙教育面で連載中「子どもの今」に登場する中1のヒカルの言葉は胸を打つ

 児童施設で生活する子の多くがギャク待や経済的理由で親と離れて暮らしている。帰りたくても帰れない。だれだって親や家族と一緒にいたい。それが当たり前なのに

 ヒトラーが台頭し、きな臭さが漂い始めたドイツで出版された「飛ぶ教室」(ケストナー)は、寄宿舎に暮らす少年たちの喜びや悲しみを通した友情を描く。その一人、マルチンはクリスマス休暇に家に戻れない。父親が失業し、汽車賃を工面できなかった

 「僕が怠け者だから?」。マルチンは自問自答し「泣いちゃだめ」と言い聞かせるが、こらえきれない。そのとき、見守っていた先生が往復の旅費をそっと手渡す

 突然の帰省に驚く両親にマルチンは言う。「僕、帰りの汽車賃も持っているよ」。ケストナーは書く。「なぜ大人は子どものころを忘れてしまうのだろう。子どもの涙が大人の涙より小さいなんて絶対にない」

 ヒカルの施設でもこの正月、大半が家に帰れなかった。ヒカルは「(将来を)何とかしたいから」と勉強に励む。子どもはヒン富の差なく可能性がある。それを摘み取り、狭める社会になりつつある。子どもを経験した大人が考える時だ。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月20日 
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ファッションや言動に目くじらを立てるよりも、異文化を発見・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 恥ずかしながら雪を見たことがなく、当然ウインタースポーツに縁がない。幼いころ、那覇市天久にあったアイススケート場で、もうもうと湯気立ち上るラーメンを食べたことが唯一の思い出だ

 夏ほどに熱くなれない冬季五輪だが、昨日の男子スノーボードハーフパイプは予想外におもしろく、予選から見入ってしまった

 まず選手の顔が大型画面で紹介される、派手な演出でスタート、スピードにのった滑走から滞空時間の長いジャンプ、ひねりや回転を加えた大技を次々と繰り出しフィニッシュ。その間1分弱。短時間の芸を代わる代わる見せる、はやりのお笑い番組にも似たスピード感で飽きさせない

 服装は、極限まで機能を追求したスピードスケートなどと違って、皆カジュアルだ。ダボダボのパンツにパーカ姿が多く、ボードの底面もドクロの絵など奇抜なデザインが目を引く

 服装問題で注目を集めた国母和宏選手(21)は、レゲエ音楽が似合いそうなドレッドヘアで登場した。結果は8位。最後の最後、着地さえ決まっていればメダルがとれたかもしれないだけに残念だ

 新興の競技にもそれぞれの歴史があり、スタイルがある。若い選手のファッションや言動に目くじらを立てるよりも、異文化を発見するつもりで楽しんだ方が、互いのためにいい。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月19日 
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最愛の子を失った親の悲しみ、無念さは想像に余りある・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 老いた者からシぬことを順縁、親より子が先立つことを逆縁という。事件や事故、病気で最愛の子を失った親の悲しみ、無念さは想像に余りある

 先日届いた訃(ふ)報(ほう)も悲しいものだった。亡くなったのは西原町立坂田小学校6年、外間新野君。13日、野球の練習をしている時に突然、心臓発作に襲われ、わずか12年という短い生涯を閉じた

 父親の一先さん(高校教諭)が以前、弊社で職場研修をしていたご縁はあるが、新野君とは面識はなかった。ただ、同じ6年生の息子がいる筆者にとって、元気だったわが子が突然逝った親の心情を察する時、胸がつぶれる思いがする

 訃報の後、新野君が弊社企画の「沖縄こども環境調査隊」のメンバーだったことを知った。昨夏、グアム島に派遣され、自然界では絶滅したグアムクイナの飼育と繁殖の状況を学んだという

 当時の記事で、新野君が調査を終えた感想をこう話している。「グアムクイナの絶滅を外来種だけのせいにしていた。本当に悪いのは人間で、心をいれかえようと思った。たくさん学んだ」

 卒業式を来月に控えた新野君は、春から始まる中学生活に胸を躍らせていたに違いない。元気だったらきっと、環境問題にも熱心な、心優しい青年になっていただろう…。そう思いながら、先の記事を読み返している。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月18日 
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社会に巣立つ前に、「感謝」と「尊敬」を失いつつある日本・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「海外」と聞けば何を連想するだろうか。企業の海外進出、琉球の海外交易、身近なところでは海外旅行か。今や渡航費も安く、大学生の多くが卒業記念に海外を経験する

 「安・近・短」の魅力から県民の人気は近隣のアジア諸国ツアーと聞く。料理や風俗など沖縄との類似点を見付け、安価な土産品を買い込むのもアジアならではの楽しみだ

 過日、アジアで約20万人の生活を支える池間哲郎さん(55)の講演を聴いた。NPOアジアチャイルドサポート代表。記事を通して活動は知っていたつもりだったが、本人の語りと映像の力に圧倒された

 「靴がないためにシんでいく命がある」「愛するがゆえに子どもを都会に捨てる親がいる」「家族のために娘が売られる」。悲痛な報告に加えて、親子間で「感謝」と「尊敬」を失いつつある日本を嘆き、良くすると訴えた

 学校や井戸、発電施設を造る池間さんの活動は現在、4000会員が支える。琉球銀行那覇新都心支店もこの半月、パネル展を開き寄付を集めた。「学校講演が多い池間さんの活動は子どもたちの方が良く知っている。社会人にも知らせたくて」と真壁朝之支店長。今後も回を重ねる

 今春、卒業を予定する学生さん、もう行き先は決まっただろうか。社会に巣立つ前に若い感性で海外を見てきてほしい。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月17日 
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持てる力を出し切るというスポーツ選手らしいさわやかさ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「団長として私がすべて責任を負う」。公式服装の乱れや会見での態度が問題となったバンクーバー五輪スノーボード・ハーフパイプ代表の国母和宏選手の試合出場を発表した際の橋本聖子さんの言葉だ

 全日本スキー連盟が同選手の出場辞退を申し入れたのを引き取り、本人と40分間話し合った後に決断したという。冬・夏で7度の五輪出場という経験や団長としての覚悟の重さが伝わったのだと思う。2度目の会見では言葉足らずながらも、彼なりの決意を語っていた

 同じように横綱としての品格が問われ、暴力ざたで引退した大相撲の朝青龍。何度も問題行動を指摘され、出場停止処分を受けながらも、行動は改まらなかった。処分の重さを実感できなかったのだろう

 師匠や日本相撲協会も世間からの指弾が強まると、彼一人に責任を押しつけて幕引きを図ったとしか思えない。協会トップが自らの進退をかけてでも横綱を指導していくという覚悟は最後まで感じられなかった

 国母選手には「失態」を取り返すチャンスが与えられた。橋本さんが言うように、彼の責任の取り方は「大会で自分の力を出し切ること」だ。本番は17日(日本時間18日)

 メダルを取っても取らなくても、持てる力を出し切るというスポーツ選手らしいさわやかさを残してほしい。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月16日 
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多様な生き方を認め合う社会に向け、みんなちがって、みんないい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 幼いころは男の子も女の子も一緒になって遊ぶが、いつしか手を握ることもためらう時期が訪れる

 フォークダンスの時、仏頂面になって照れくささを隠したり、女の子と遊ぶと、「イナグメーサー」と言い合ったりした経験は男性なら誰にもあろう。それまで知らなかった、性の違いが意識の中に織り込まれる

 埼玉県の小学校で、性同一性障害と診断された2年男児が女児として通学を認められた(13日付本紙)。男児は幼稚園のころに、心と体の違いに気付き、不眠を訴えるほど苦しんだという。幼い心をどれほど痛めたことか

 性同一性障害の実態は、プライバシーや性の問題を遠ざけたがる意識もあって、把握することは難しい。この学校では、校長が子どもたちに説明し、保護者の理解も得られたという。学校や地域ぐるみの温かい計らいに敬意を表したい

 しかし、男児や家族、学校にとって悩みが深まるのはこれから。成長するにつれ、体は心と裏腹に変化する。周りから容赦のない言葉の礫(つぶて)が増えるかもしれない。手探りではあるが、心のケアや対策を準備する必要がある

 男と女。身近な存在だが、目に見えない垣根は意外に高い。詩人金子みすゞが「みんなちがって、みんないい。」と歌ったように多様な生き方を認め合う社会に向け、私たちも試される。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月15日 
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「五輪停戦」の呼び掛けは形式的なセレモニーにすぎない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 2年前の北京五輪で印象に残ったシーンがある。女子エアピストル競技の表彰式。ロシアの選手が銀メダル、グルジアの選手が銅メダルを獲得。表彰台で互いに抱き合って祝福した

 2人には格別の思いがあった。というのも開会の日に両国間で軍事衝突が発生。グルジア選手団は五輪撤退も検討したという。国同士が対立する中で選手が発した「何事も私たちの友情は壊せない」との言葉は強く胸を打った

 再び巡ってきた平和の祭典。雪や氷には縁遠いここ沖縄でも、フィギュアの華麗な舞や、風を切って滑走するスピードスケート、ダイナミックなモーグルなどを心待ちにするファンは少なくない

 冬季五輪開幕に先立ち、バンクーバーの選手村では古代五輪の故事に基づいて「五輪停戦」を願う壁が設置された。国連総会議長も世界各地で続く武力紛争や暴力行為を期間中停止するよう呼び掛けた

 繰り返される紛争と消えることのないテロの脅威。停戦の呼び掛けは形式的なセレモニーにすぎない、と冷ややかな声もあるようだが、古代五輪の際は3カ月にわたって武器を放棄したという

 平和な世界であってこそ自らの限界に挑む選手たちの姿は輝きを増す。現代に生きる私たちも伝統の五輪精神にならいたい。会期の17日間だけでなく聖火が消えた後も。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月14日 
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