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「命を守りたい」生きづらさゆえの荒れた心が新たな無理解と非寛容を生む・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先ごろ亡くなった米作家サリンジャー氏は、「ライ麦畑でつかまえて」で、ホールデン少年を主人公に青春期特有の大人への反発、生きづらさを描いた

 今、生きづらさという重しは、さまざまな形で私たちの生活に一層のしかかっている。鳩山由紀夫首相が施政方針演説で、「命を守りたい」と、ことさら強調したのは重しを軽減したいという決意の表れだろう

 しかし、理念だけでは厳しい現実は変えられない。昨年の自サツ者は3万2753人と、過去5番目に多く、県内は前年比69人増の406人だった(27日付本紙)。自サツは「強いられたシ」と言われる。失業や病気に悩み、解決方法がないと思いこまされた末の選択だと

 一方で、他人をサッ傷する犯罪も後を絶たない。秋葉原事件の被告は不安定な就労に挫折感を抱き、何度もためらいながら、ついには無視した人への復讐を決行した、と検察の冒頭陳述は伝えた

 他人への無理解と非寛容。世間に吹く、冷たい風に気持ちは縮こまる。生きづらさゆえの荒れた心が新たな無理解と非寛容を生む悪循環に陥っているようにも映る

 鳩山政権の理念は分かった。ことしは実行の年だ。「格差」で渇いた心に潤いを与える政治が待たれる。そうでなければ、ホールデン少年が嫌った大人の欺瞞(ぎまん)と言われかねない。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月1日 
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