SSブログ

歓喜と落胆のコントラスト、生身の人間の躍動に心が揺さぶられる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 世界一を競う闘いが連日、バンクーバーから伝えられる。中でもフィギュア男子は、選手の勝負へのこだわりがにじみ出て興味深かった

 「4回転ジャンプを跳ばないのはアイスダンス」と、銀メダルのプルシェンコ選手(ロシア)が言えば、封印して金を射止めたライサチェク選手(米国)は「ジャンプコンテストなら10秒で競える」と語り、何を見せるかが大切だと強調したという

 日本男子初のメダルをもたらした高橋大輔選手は、4回転には失敗したが、得点は8項目中、ステップや技のつなぎなど4項目で最高点。流麗という形容詞がふさわしい演技力は世界の頂点であることを証明した

 演技中に靴ひもが切れた織田信成選手は、試合前から切れていたが替えなかった。靴の締まり具合が微妙に変わるのを避けたという。世界を舞台に闘う繊細な感覚には驚かされる

 選手を見ていると、頂点を目指して日々鍛錬し続けた者にしか分からない世界観を感じる。鋼の肉体と強靱(きょうじん)な心を備えての本番。コンマ何秒、距離にして数センチのせめぎ合い

 持てる力を存分に発揮する一方で、わずかなほころびから勝利を逃す。自信が過信を招き、不安がほどよい緊張を生むこともある。歓喜と落胆のコントラスト。まぎれもない生身の人間の躍動に心が揺さぶられる。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年2月22日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。