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選手と沿道が一体となって楽しめる市民マラソンの魅力・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先日のおきなわマラソンに参加した。当欄で何度もマラソンを取り上げてきた身としては恥ずかしいが、6時間完走のペースメーカーに20キロ地点で置いていかれて早々と心が折れ、完走をあきらめた

 棄権者のバスが来るまでは、と沿道のボランティアから差し出される飲み物や果物をいただきながら、歩いた

 苦しさが減った分、周りがよく見えた。黒砂糖を持った幼い兄弟は競うように声を上げ、自前の消炎スプレーをかける女性は励ましの言葉と笑顔もセットだった。車いすのお年寄りたちは見物がてらか、パーランクーで盛り上げた

 紙コップやスポンジを渡す人の後ろには、散乱したそれを拾う人がいた。必シに走っているときは投げ捨てても許されると思っていたが、1分1秒を争うわけでもないので、礼を言って手渡しで返すよう努めた

 10キロ近く歩き、嘉手納基地内へ。「ヒュー」「グッジョブ」とノリのいい声援に後押しされ、また走りだした。うまく疲れも抜けたようで、時間内にゴールできた

 距離との語呂合わせで「シにいく(42・19)覚悟(5)」が必要と言われたりするが、立派な覚悟や根性がなくても、限界を超えた力を応援が引き出してくれる。選手と沿道が一体となって楽しめる市民マラソンの魅力が、そこにはある。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月12日 
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両親に哀願する「お水を下さい」悲しいつぶやき・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 メーテルリンクの童話「青い鳥」で、子どもたちがこの世に生を受ける「未来の王国」の場面がある

 「王国」にいる子どもたちは皆、生まれる時を待っている。あらかじめ決まったお父さんやお母さんが「子どもが欲しい」と伝えると、その子は王国の扉を開け、地上へと降りたっていく

 われ先にと、はやる大勢の子どもたちの中に、こう泣きじゃくる一人の子が出てくる。「いやだ。いやだ。行きたくないんだ。生まれたくないんだ。ぼく、ここに残っていたいんだ…」

 児童ギャク待事件のニュースを見聞きするたび、そのセリフを思い出す。被害に遭った子の心の声にも聞こえるからだ。事件では、周囲が適切な対応をとっていれば助かったケースもあり、やりきれなさばかりが残る

 先週も奈良と埼玉で、両親から十分な食事を与えられず、5歳と4歳の男児が餓シする事件がたて続けに起きた。埼玉のケースでは、男児が「お水を下さい」と両親に哀願する声を近所の人が聞いていたが、最悪の結末を防げなかった

 「シにに行くんじゃないぞ。生まれるために行くんだ、さあ」。先の物語では、「王国」の番人はこう諭して嫌がる子どもを地上に送り出した。「やっぱり行かなければよかったんだ…」。亡くなった二人の男児の悲しいつぶやきが聞こえてくる。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月11日 
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本物志向をくすぐり目的型、体験型の長期滞在客を誘い出す工夫・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 三寒四温を繰り返すこの季節、毎朝、何を着ようかと悩む。青空は3日と続かずせっかちなかりゆしウエア族も出たり消えたり。冬と春の同居はもどかしい

 急激な気候変化で雨風が突然やってくるのもこの時季で、先週、人知の及ばない自然の力と観光業の話を書いたら、県内大手宿泊業の幹部からお電話をいただいた

 「プロ野球キャンプを誘致しただけ、イベントを開催しただけではダメ。本物志向をくすぐり目的型、体験型の長期滞在客を誘い出す工夫が大事」との趣旨だった

 もちろん災害級の環境変化に観光業が対抗するには限界はあるだろうが、長年の課題となっている冬場の盛り上げに向けて、業界はもっと「自力誘客」の努力ができる―との熱い思いが伝わってきた

 北部3市町村が今年初めて合同で展開した「沖縄三大桜祭り」は、名護で前年より4割増え、連携効果が表れた。これに「健康」「環境」「文化」をテーマにした1~3月の既存イベントを連動させ「ウェルネス・カルチャー」シーズンを作る考えだ

 構想はまだ業界内、行政との間で話が出たばかりという。でも、慌てることはない。季節は行きつ戻りつを重ねて春を迎える。抜けるような青空にはもどかしさも付きものだ。揺るぎない観光価値の創造に向けて着実に歩みを進めてほしい。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月10日 
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普天間「最低でも県外」発した言葉の軽重が問われている・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 警察庁の犯罪統計によると、2009年の知能犯件数は大幅に減少した。おれおれ詐欺に代表される振り込め詐欺を3分の1に抑え込んだことが大きく貢献したという

 ところが政治の世界では、米軍普天間飛行場移設問題や子ども手当などをめぐる鳩山政権の対応について、野党議員らから「マニフェスト詐欺」「やるやる詐欺」などと揶揄(やゆ)する声が上がる

 「やるやる詐欺」はそもそも、2004年に小泉純一郎首相の年金改革への対応について、当時民主党代表の菅直人氏が発した造語だ。昨年2月には、同党の前原誠司氏が麻生太郎首相に「やるやる詐欺の常習犯だ」とかみついた

 ところ変わればだ。政権交代してもなお、同じ言葉が繰り返される。本来、政治家を詐欺師呼ばわりすることに、ためらいがあっていいはずだが

 共同通信の今月の調査で、鳩山内閣の支持率が初めて40%を割り込んだ。「政治とカネ」の問題が影響しているとみられるが、不支持の最大の理由は首相の指導力のなさだ

 政府が県内移設を模索しているという見方がもっぱらだが、民主党の小沢一郎幹事長は、「普天間」の県内移設に否定的な考えを示しているという。与党の移設案提出を受け、政府の本格的な検討が始まる。「最低でも県外」。発した言葉の軽重が問われている。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月9日 
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「いないいないばあ」赤ちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 40年余り前に出版され、今も書店の本棚に並ぶロングセラーの絵本がある。松谷みよ子さん文、瀬川康男さん絵の「いないいないばあ」(童心社刊)

 部数が400万部を超える同書は、シンプルな言葉と温かみのある絵でつづられた赤ちゃん向けの絵本。その絵を描いた絵本画家の瀬川さんが、2月に77歳で亡くなった

 訃(ふ)報(ほう)を伝える記事に、絵本の表紙の写真を掲載した全国紙もあったほど。絵を目にすれば遠い日がよみがえり懐かしさを覚える人も多いのでは

 乳児健診の会場などに読み聞かせの場を設け、このような赤ちゃん向け絵本をプレゼントする「ブックスタート」を行う自治体が県内でも増えている。絵本を介し親子のふれあいを促す子育て支援策の一環だ

 同事業に参加した那覇市の保護者に対する3年後の追跡調査では、「毎日絵本を読むきっかけになった」など読書環境づくりに役立ったとする感想をはじめ「子育ての行き詰まりを読み聞かせで乗り越えることができた」との声も

 「いないいないばあ」刊行当時、乳児向けの絵本は皆無に等しかったと松谷さん。「赤ちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を」と本の帯に寄せる。作者のそんな思いが込められた絵本は、親から子へ、そのまた子へとこれからも読み継がれていくだろう。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月7日 
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落としどころを模索しはじめた政府「亡霊」しのび寄る不穏な動き・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 朝は寝床でグーグーグー。昼はのんびりお散歩だ。病気もなんにもない。水木しげるさんのアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」は今も根強い人気だ

 なんともうらやましい生活ぶりだが、支持される背景には登場してくるキャラクターの妙味がある。擬人化された妖怪たちが危害を加えるが、鬼太郎は最後まで追い込まない。欲望むき出しのドジなねずみ男にも親近感がわく

 恐れる相手ではなく、むしろ人間の内面的な弱さを戒めつつ、温かいまなざしが向けられている。そんな身近な妖怪たちと違い、俗世に恨みでもあるような「亡霊」が県内で跋扈(ばっこ)している

 辺野古陸上、嘉手納、津堅沖、あるいは下地島。普天間飛行場の移設問題で「少なくとも県外」を打ち出していた鳩山政権内から「出るわ、出るわ」のオンパレード。以前に白紙になった案がなぜ今なのか

 首相自身は沖縄への配慮をにじませてはいるが、周辺を使って「沖縄しかない」という既成事実を積み上げているようにしか映らない。県民はこの十数年、多くを学んできた。落としどころを模索しはじめた政府の狡猾(こうかつ)さも含めて

 鬼太郎はしのび寄る不穏な動きを敏感に察知する。地に足のついていない亡霊の存在は、地盤を固めきれない政権を写す鏡なのか。県民の髪の毛は妖気を感じ、逆立っている。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月6日 
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加減を知らない憎しみは陰湿ないじめや身勝手な事件を生む・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 酒に酔うと、豹変(ひようへん)する人がいる。説教をねちねちと繰り返したり、攻撃的になったり、ふだん人格者で通っている人ほど周りの驚きも大きく、「あれが本性か?」と評判を下げることになる

 いい人であり続けるのは疲れる。本音と建前をうまく織り交ぜていければいいが、角が立たないよう気持ちにふたをしてばかりでは無理が生じ、やがてストレスのダムもあふれてしまう

 沖縄国際大学講師の知名孝さんが寄せた「憎み方」についてのエッセー(本紙2日付教育面)が、考えるヒントになりそうだ。知名さんは、愛し愛されることと同じくらい「適切に憎み合う」経験をすることが大切と説く

 人は不完全な存在であり、差別や偏見、嫉(しっ)妬(と)、憎悪などネガティブな感情を持つ。そんな「正しくない」心を否定するのではなく、成長の一過程として受け入れ、消化していくことが必要という

 最近は子どもも大人も「憎み方」が下手になってきたのではとも指摘しているが、同感だ。内なる悪を知り省みる分別がないと、他人の痛みに思いをはせることはできない

 加減を知らない憎しみは陰湿ないじめや身勝手な事件を生む。テレビの中の有名人に品行方正さを求め、徹底的にたたく不寛容さも根は同じで、生きづらい社会をつくっているような気がしてならない。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月5日 
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一枚の写真「幸福」さんにとっては、大忙しなシーズン到来・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 詩人の吉野弘さんに、「一枚の写真」という作品がある。3月3日のひな祭りの日、二人の姉妹が父親に記念写真を撮ってもらう光景を次のようにつづっている

 〈この写真のシャッターを押したのは/多分、お父さまだが/お父さまの指に指を重ねて/同時にシャッターを押したものがいる/その名は「幸福」/幸福が一枚加わった/一枚の写真〉

 「桃の節句」のきのう、お子さんの健やかな成長を願い、ひな祭りをしたお宅もあっただろう。3日付本紙第2社会面に掲載された那覇市・光の子幼稚園の写真からは、ひな人形の前で喜ぶ女の子たちの楽しそうな声まで聞こえてきそうだ

 吉野さんは、「幸福」は、私たちの周りにいつもいて、楽しそうな人のところに寄ってくるものなのだと言っている。先の写真もきっと、本紙カメラマンと一緒にシャッターに指を重ねたものがいたのだろう

 日の高校に続き、これから小中学校、大学などで卒業式のピークを迎える。卒業アルバムに収められた笑顔の君やあなたの「一枚の写真」の撮影のときも、目には見えない「幸福」が寄り添っていたに違いない

 4月に入ると、入園式・入学式があり、校内には晴々とした表情の親子らが記念撮影をする光景が広がる。「幸福」さんにとっては、大忙しなシーズン到来である。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月4日 
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休暇分散化「観光は水物」と呼ばれ、時の条件に左右されやすい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 プロ野球春季キャンプが2月いっぱいで終わった。3年連続過去最多の9球団が県内に集中したが、今年の経済効果は今ひとつ雲行きが怪しいようだ

 受け入れ関係者によると、まず、冬季五輪と重なり報道陣が少ない。観客数は天候不順で前年より2割程度少ない地域があるなど、経済効果は前年割れがささやかれている

 10年来試算を続けるりゅうぎん総合研究所の分析では、例年、宿泊と飲食、土産物購入に多くの金が落ち、県外客の多寡が経済効果を左右している。公式戦の成績も客足に響くなど、沖縄側の努力だけでは効果が上がらない、外部依存性の高い構図がうかがえる

 一方で、昨年のNAHAマラソンは史上最多の約3万人が参加、県外のランナーも増えた。同研究所は、入域観光客が減少傾向にある中で「景気の影響を受けにくい目的型のイベント」による集客を評価している

 政府が導入を検討する「休暇分散化」が過日、明らかになった。地域別に連休をずらし、観光需要を高めるという。ただすでに「社会の混乱」などと指摘され、拙速な導入は禁物だ

 「観光は水物」と呼ばれ、時の条件に左右されやすい。観光を県経済の先導役とする沖縄は外部環境の変化を「不可抗力」としてあきらめず、水漏れを小さくする英知も一層問われそうだ。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月3日 
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自然災害には、これまでの経験を生かして立ち向かうしかない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 学生のころ、台風が近づくとテレビや新聞で進路図を熱心にながめていた。関心の中心は、休校になるかどうかだったが、最低気圧や最大風速をみれば、どの程度の大きさかは実感できた

 ある先輩記者は台風時に、トタン屋根に当たる雨音の強さでおおよその降水量が分かったと記している。台風の襲来が多い沖縄の人は経験値が高く、知見も有していたのだろう

 それに比して、県内では地震や津波の経験は少ない。先日起きた震度5弱の地震は沖縄本島で99年ぶり。県内で3人の犠牲者を出し、屋我地大橋を押し流したチリ地震津波も50年前の出来事だ。その際の教訓が多くに共有されているとも言い難い

 丸一日にわたって津波警報が発令された一昨日。さまざまな行事が中止となる一方、本部沖の海上でサーファー3人が警告を受けた。海岸付近でも津波見たさの人が目立ったという

 津波は、風による波浪に比べて波長がはるかに長く、同じ高さであっても押し寄せる水量や破壊力は格段に違うことを認識する必要がある

 自然災害には、これまでの経験を生かして立ち向かうしかない。経験の乏しさは、最悪のケースを前提に知識や想像力で補うことが求められる。地球を半周する地にまで影響を及ぼした大地震。被災したチリの状況にも関心を向けたい。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月2日 
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