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一枚の写真「幸福」さんにとっては、大忙しなシーズン到来・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 詩人の吉野弘さんに、「一枚の写真」という作品がある。3月3日のひな祭りの日、二人の姉妹が父親に記念写真を撮ってもらう光景を次のようにつづっている

 〈この写真のシャッターを押したのは/多分、お父さまだが/お父さまの指に指を重ねて/同時にシャッターを押したものがいる/その名は「幸福」/幸福が一枚加わった/一枚の写真〉

 「桃の節句」のきのう、お子さんの健やかな成長を願い、ひな祭りをしたお宅もあっただろう。3日付本紙第2社会面に掲載された那覇市・光の子幼稚園の写真からは、ひな人形の前で喜ぶ女の子たちの楽しそうな声まで聞こえてきそうだ

 吉野さんは、「幸福」は、私たちの周りにいつもいて、楽しそうな人のところに寄ってくるものなのだと言っている。先の写真もきっと、本紙カメラマンと一緒にシャッターに指を重ねたものがいたのだろう

 日の高校に続き、これから小中学校、大学などで卒業式のピークを迎える。卒業アルバムに収められた笑顔の君やあなたの「一枚の写真」の撮影のときも、目には見えない「幸福」が寄り添っていたに違いない

 4月に入ると、入園式・入学式があり、校内には晴々とした表情の親子らが記念撮影をする光景が広がる。「幸福」さんにとっては、大忙しなシーズン到来である。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月4日 
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