SSブログ

独裁者「社会のため」なら対話を放棄せず、重ねるしか道はない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 タイピストは口角泡飛ばす指導者の長い演説を一語しか打たず、たった一つの言葉に乱れ打つシーンが卓越だった

 映画「独裁者」で、世界侵略に歩み始めたばかりのヒトラーの野望を見抜いたチャプリン。まだヒトラーが米国でも英雄視されていた時代の洞察力には今も舌を巻く

 ブログで不穏当な記述を重ねる鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、議会との対立を深めている。多数を占める反市長派の抵抗で自身のめざす改革が進まないと、予算審議の本会議出席を拒み、部課長にも答弁を拒否させている。近著に『独裁者』を冠したのも挑発的だ

 改革の志は高い。行政と民間の給与格差是正や職員の評価制度の導入。「皆には必ず役割がある。その役割を社会のために果たそうとする努力、それが社会を良くする」。真意が伝わっていないこともあろう

 ただ、障ガイ者をさげすむような表現や報道への過剰な排除まで広げれば尋常ではない。チャーチル元英国首相は民主主義を政治形態として最悪としながら、これまで試されたどの制度よりはましだ、と独裁制を警戒した

 チャプリンは映画の結末に未来への希望を残したが、現実の主人公は想像をはるかに超える破壊と犠牲を生み、ついには破滅した。「社会のため」なら対話を放棄せず、重ねるしか道はない。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月13日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。