SSブログ

「沖縄21世紀ビジョン」今生きている者が将来にも責任を持つ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先日、本部町備瀬集落を久しぶりに訪ねた。高く伸びたフクギが日をさえぎり、並木のすき間からのぞく海の色がまぶしく光る

 台風や潮害から集落を守ってきた屋敷林は、琉球王府時代の三司官を務めた蔡温が奨励したという。進貢船の建造や首里城改築、薪炭など増え続ける木材需要を自給するために、さまざまな山林政策を実施したことで知られる

 「蔡温松」と称される古木が県内各地にある。沖縄戦をくぐり抜け、今も残る松並木やフクギ並木を見ると、長期的視野に立った施策の重要性をあらためて感じずにはいられない

 2030年ごろの沖縄のあるべき姿を描く「沖縄21世紀ビジョン」の議論がなかなか盛り上がらない。県が初めて策定する長期構想として知事に答申されているが、県民意見を募集するパブリックコメントは1カ月近くたっても、わずか1件だけだという

 沖縄は、米軍普天間飛行場移設など大きな問題を抱え、その動向さえ一向に定まらない。常に直近の課題にさらされ、先行きが見えにくいという事情があるのかもしれない

 県は、アンケートやワークショップでの県民意見をビジョンの素案づくりに生かすなど住民参加を重要視している。今生きている者が将来にも責任を持つ。蔡温の事績から垣間見える気概に倣いたい。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月16日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。