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責任の押し付け合い、連携不足が解決の遅れ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 尋常ではないと感じたのだろう、「(状況を)伝えた」と一方の関係機関は言い、その相手とされる別の機関は「相談を受けた記録はない」。さらに別の機関は調査もせずに「深刻な事案ではない」と判断していた

 数年前に県外で、母親が娘を約8年も「監禁」状態にしていたことが明らかになった。その後の検証で学校、児童相談所、自治体の連携不足が判明。各機関で情報や認識を共有していればもっと早く救出できたという

 こうした児童ギャク待などの深刻な事態で、行政機関の連携不足が解決の遅れの一因と推測できるケースがしばしばある。報道で明るみに出てから事態が動きだすことも少なくない

 うるま市の民家敷地内で信管付き米国製対戦車りゅう弾が5カ月間放置されている問題も、同様では。市や沖縄防衛局、県も把握しながら責任の所在が不明確なまま、処理されずにいる

 それぞれに立場があり経緯があるのは分かるが、大惨事につながりかねない事態にもかかわらず一方は「正式な文書か責任者が直接依頼すべきだ」、他方は「処理を引き受けると思っていた」など何とも悠長だ

 「夜も眠れない」と不安を訴える住民が一日も早く平穏を取り戻せるよう迅速な解決を求めたい。行政の責任の押し付け合いのとばっちりを受けては、たまらない。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月11日 
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世界に一つしかない自分という種、どんな花が咲くか・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 レコードの針が溝をしっかりと刻み、心地よいリズムが流れだす様が語源という。「グルーブ」。ジャズやソウルなど黒人ミュージシャンの音によく表現される

 演奏者それぞれに独特のグルーブ感がある。沖縄で生まれ育ったジャズピアニストの屋良文雄さんも無比なグルーブ感を持つ一人だった。1940年生まれ。ミュージシャンをめざしたきっかけは幼少時代、発音に難があったためだった

 「話をしなくて済む仕事につきたかった」。当時は戦後の混乱期。大学に入りピアノに熱中した。「一人で何でもできるし、主役になれる」。教員の3倍の給料があったという米軍基地内のクラブで腕を磨いた

 米軍占領下から復帰前後の混乱期に、沖縄のジャズは本土とは違う独自の歴史をたどり、「オキナワンジャズ」と呼ばれる文化に育った。一翼を担ったのが屋良さんだ

 放送作家の永六輔さんはコンサートのパンフレットにこう書いた。「屋良さんの指は 心は 島唄をうたっている」。客との一体感が生まれるライブに最後までこだわり続けた

 生前、こんな言葉を残した。「世界に一つしかない自分という種に水をまく。それは勉強や努力といった辛(つら)いものじゃない。どんな花が咲くかを考えれば楽しいもんだ」。享年70歳。音楽という万国共通の言葉は色あせない。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月10日 
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壁を一つ乗り越え「男子三日会わざれば刮目して見よ」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 きのうの朝刊で懐かしい顔を見て、何ともいえないうれしい気分になった。鏡が丘特別支援学校から一般入試で那覇国際高校普通科に入学した吉田伸吾君(那覇市)の晴れ姿を伝える記事だ

 彼とは6年前の那覇市障害者運動会で会った。当時9歳。ちょこんと車いすに座った姿がかわいらしく、思わず声をかけた

 ストレスが解消できるから運動が大好きなこと、パン食い競走や玉入れを頑張ったこと、将来は弁護士になりたいことなどをはきはき答えてくれた。明るい笑顔が印象に残っていた

 鏡が丘では、ほかの生徒と障害の状況に違いがあったため、授業は9年間一人ぼっちだった。進路を決める際、障害者施設で暮らすのではなく、仕事に就き家庭を持ちたいという伸吾君に、父親は頭を使う仕事に就くよう助言した

 志望校に選んだ那覇国際高は県内で上位の進学校だ。昨年の夏休みから八重瀬町の塾に通い、猛勉強を重ねた伸吾君の努力と情熱に、そして彼を支え、力を引き出した家族、学校、塾の皆さんに、拍手を送りたい

 「男子三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」という言葉がある。伸吾君は入学の喜びに満足せず、大学進学、さらに「地域や社会で役割を持って一生懸命生きていく」という目標を打ち立てた。壁を一つ乗り越えた、男の顔になっていた。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月9日 
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「卒啄の機」自身の殻を破ろうとした時、きっと素敵な出会いが待っている・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 人の出会いの縁を表わす言葉に「卒啄(そったく)の機」がある。もともとは禅宗の言葉らしいが、次のようにも説明される

 「卒」とは「つつく」の意味で、「啄」とは「ついばむ」の意。卵の中でヒナ鳥が目覚めて、殻を内側から打ち破ろうとつつく時、親鳥は機を逃さずに外側から殻をつつき、ヒナ鳥を新しい世界へと送り出す

 タイミングが合わなければヒナはシんでしまう。こんな自然界の不思議さは、人の世にも通じる。どんな才能の芽も、引き出してやる力がうまく働かなければ、実を結び、花が咲くことは少ない

 春のセンバツで初優勝した興南高校チームの活躍にも、そのことを痛感した。名将・我喜屋優監督の指導力に素質あふれる選手たち。決勝戦の激闘を制した興南の底力は、「卒啄の機」が育(はぐく)んだものだろう

 読者の方も自身の歩みを振り返った時、コツコツ育てた自作の「花」に、出会いの縁を感じる方は少なくないはずだ。親、先生、上司、先輩…、目を閉じればいくつもの顔が浮かぶのではないか

 小中高校の入学式がピークを迎えている。勉強やスポーツ、趣味だっていい。それぞれの夢という名の新芽に努力の「水」をやり、失敗の涙も「肥料」にすればいい。やがて芽が育ち、自身の殻を破ろうとした時、きっと素敵な出会いが待っている。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月8日 
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「沖縄ショービジネス」観光振興と連動して、音楽や芸能の産業化・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「トートーメガネ」をご存じだろうか。掛けるだけでご先祖様(トートーメー)の霊が見え、会話もできる代物。もしあったのなら、ウシーミー(清明祭)のこの季節、引っ張りだこになるかもしれない

 眼鏡は復帰20年のころ、新機軸の沖縄芝居で話題を呼んだ笑築過激団の演劇「ROOTS(ルーツ)・元祖(ムートゥヤー)」で使われた。もちろん、現世と霊界をまたいだ空想劇の産物で、祖先との“対話”を重んじる沖縄ならではのフィクションとして楽しめた

 劇中、観光客相手にエイサーを見せるのが仕事という若者集団も登場した。先の眼鏡はまだできないが、エイサーの職業化は多くの観光地で現実に。生計が成り立つ舞い手もいるようで笑築の先見性に驚く

 県の観光振興と連動して、音楽や芸能の産業化が注目され始めた。先日、県内大手宿泊業のかりゆしグループが、沖縄ショービジネスの構築を目指して幅広いジャンルの芸能人を一堂に集めた

 将来、米国ラスベガスのような世界的な演出舞台を想定し、ソフトパワーの魅力で足腰の強い沖縄観光を目指す考えだ。才能ある人材を生かす制作側の資質も問われている

 ライブハウスにパフォーマンスシアター、組踊劇場にオペラハウス…。国際都市にふさわしいエンターテイメント都市はどんな姿か。近未来がのぞける魔法の眼鏡が欲しくなった。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月7日 
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新たな生活「応援される力」態度、周囲への気遣い、手を抜かない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 興南の優勝で幕を閉じた選抜高校野球大会の決勝戦は4万3000人の観客を集めた。決勝で4万人を超えたのは、県勢に初優勝をもたらした沖縄尚学の4万8000人以来、11年ぶりだという

 アルプス席を埋め尽くす大応援団や県人会関係者だけではスタンドは埋まらない。いかに沖縄代表チームの人気が高いかがうかがえる数字だ

 かつての声援には、パスポート持参の「異国」からの参加者として、あるいは弱小ゆえの判官びいきもあっただろう。しかし、すっかり強豪県となった今も多くのファンを魅了し続けているのが誇らしい

 スポーツジャーナリストの田尻賢誉さんは沖縄の高校野球をテーマに昨年刊行した「沖縄力(うちなーぢから)」の中で、銀傘にこだまする拍手や指笛で球場全体を巻き込む沖縄独特の大応援を「スタンド力」と表現し、戦力の一つに数えている

 また、グラウンドでの姿や態度、周囲への気遣い、手を抜かないプレーなど「応援される力」が沖縄の選手たちにはあると記す。その力こそが高校野球にとって最も必要だとも

 球児に限ったことではない。4月。新社会人や学生をはじめ、新たな生活を歩み始める人も多い。さまざまな困難に直面することもあるだろうが「応援される力」の意味を考えることも一助になりそうだ。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月6日 
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「考える力」「感じる力」「味わう力」などの感受性をはぐくむ大切さ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 興南高校野球部監督の我喜屋優さんは、就任わずか3年で、全国大会制覇を成し遂げた。「子どもたちが生まれ変わったように成長した」とほめるが、指導によるところも大きい

 毎月、部員に野球ノートを提出させるという。一人一人と向き合い、個に応じて教えるのだろう。時間厳守など、生活態度にはことさら厳しいそうだ。そこには一教育者としての姿も浮かぶ

 新学習指導要領の下で、小学校教科書の内容が4割も増えることになった。子どもたちの考える力や学ぶ意欲を伸ばす期待もあるが、教える力が伴わなければ、単なる詰め込みでしかない

 国語教育の第一人者、大村はまさん(故人)は「戦後の一番の失敗は、先生方が教えることをやめたことにあります」と語った(ちくま新書「教えることの復権」)。個性や自主性を重んじるあまり、教え導くことを控えたと

 教え過ぎれば、押し付けにもとられる。線引きは難しく、教師には高い技量が求められる。しかし、学習量が増えるだけでは現場の負担は増すばかり。考える力を高める道は遠くなる

 我喜屋さんは、子どもたちに「気づく人になりなさい」と話すという。「考える力」とともに「感じる力」や「味わう力」などの感受性をはぐくむ大切さ。豊かな教育のありようを示すヒントともいえる。(平良哲)

大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月5日 
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「最後まであきらめない心」ひたむきなプレーが持つ力は大きい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「勝利への執念と信念。最後まであきらめない心」―興南高校がついにやった。実際の空模様はここ数日すっきりしないが、堂々の優勝に沖縄中が快晴だ

 決勝戦は、追いつ追われつの手に汗握る展開。多少の固さはあったものの、ピンチでも落ち着いた様子なのに感心した。選手同士そして監督と選手とが、強く結ばれている証しだろう

 「選手たち一人一人が生まれ変わった気がした」―我喜屋優監督は試合後のインタビューで、前日とほぼ同じ言葉を口にした。試合を重ねるたびに、チームとしても個人としても成長していく。高校野球の醍醐味(だいごみ)を感じた

 県勢としてセンバツ初出場からちょうど半世紀。嘉手納高校と共に沖縄から初の2校同時出場という記念すべき大会に、輝かしい記録が刻まれた。沖縄の高校野球の底力の勝利だ

 甲子園で興南旋風が吹き荒れている間に、新年度が始まった。多くの若者たちがふるさと沖縄を離れ、新天地で就職や進学と新たな一歩を踏み出した

 心細さを感じつつ初の週末を迎えた人もいるだろう。テレビやラジオから聞こえる、スタンドの指笛やおなじみの「ハイサイおじさん」の演奏に、自ら励まされた人も少なくないのでは。もちろん「最後まであきらめない心」にも。ひたむきなプレーが持つ力は大きい。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月4日 
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「夢」に向かってそれぞれが白球を追う・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 岩手県の社会人チームで野球部の正捕手を務める玉城宏二さんは今年36歳になる。大学卒業後、本土のチームを渡り歩き、4年前から岩手に腰を下ろした

 すでにベテランの域だが、野球への情熱は「あの日」を境に尽きることはない。1992年春、読谷高校のエースとしてセンバツのマウンドにいた。身長162センチ。相手は東北の強豪仙台育英

 読谷はチームの平均身長も170センチに満たなかったが、地元出身だけで構成され、和と明るさは秀逸だった。監督だった比嘉順二さんは「水鉄砲と大砲」と表現した

 ところが、試合は打線の爆発で2回を終え8対1。ベンチやスタンドも「いける」と踏んだ。しかし、甲子園には魔物が棲(す)む。結果は11対18。試合後、いつもの笑顔から一転、191球を投げ抜いた彼の目からあふれる涙は止まらなかった。「一人で気負い、期待にこたえられなかった」

 あれから20年近く。あこがれの舞台でたくましくプレーする後輩が誇らしい。「僕らは甲子園に行くことが目標だった。今の興南は違う」。「気持ちが強い」という。決勝戦は練習があり、ラジオ応援になる

 「あの日があって今の自分がある。いつか指導者として島に戻る」のが目標だ。まだ底冷えする大地と聖地で今日、「夢」に向かってそれぞれが白球を追う。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月3日 
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求められる人材像、コミュニケーション能力や行動力、熱意・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 新しい年度が始まり、ここ数日は子を持つ家庭にとって気になるニュースが続いた。まずは子ども手当。中学生までの子1人当たりに月額1万3千円を支給する。実際に受け取るのは6月からで、4、5月分がまとめてもらえる

 公立高校生の授業料がただになり、私立生は就学支援金が支給される。いずれも所得制限がなく、ばらまきとの批判はあるが、この不況下、家計にはかなりの助けになる

 来春からは小学校の授業が変わる。学力低下を招いたと批判されていた「ゆとり教育」をやめ、理科と算数を中心に教科書の分量が増えることになった。9年前に比べ約4割増で、学校週6日制時代よりも5割多い。しかし主要4教科の授業は1割しか増えないというから現場は大変だ

 特に心配されているのが授業日数不足と「詰め込み教育」の復活だ。すでに東京都内の公立小中では月2回を上限に、土曜授業が行われている

 主要109社への採用アンケートで、多くの企業が新卒者のコミュニケーション能力や行動力、熱意を重視し、成績や語学力を見る社はゼロだった(3月23日朝刊)。大企業の物差しがすべてではないが、求められる人材像として参考になる

 単なる受験秀才は魅力に欠ける。そこは国の支援や学校任せにせず、本人と親が努力すべき点だろう。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月2日 
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