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「上から目線」高みに立っても闇や雲に紛れれば視界は不良・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「ばかと煙は―」の俗言をもじり、「ばかとカメラマンは高い所に昇る」と写真部時代、先輩に教わった。前者が「高所=危険」を省みない愚者への戒めなら、後者はまず高所の撮影位置を探せ―との教訓だ

 取材の現場や着眼点にもよるが、高い場所なら全体の状況が分かる。何がどこで動き、どれが象徴的なシーンなのか。状況を瞬時に把握し、たった1枚の写真で核心を切り取るすべだった

 同じ高所でも、国内一高い建造物となった都内墨田区の東京スカイツリーからの眺めはどうだろう。来年暮れには東京タワーの2倍近い634メートルの電波塔が完成する。この国の姿、国を動かす眼下の霞ケ関も透けて見えるのだろうか

 ただ、高みに立っても闇や雲に紛れれば視界は不良、単なる「上から目線」に陥りやすい。29日、鳥島・久米島射爆撃場の返還要求方針を明らかにした政府高官の発言もどこかピントがずれてないか気になる

 高官は、沖縄側の返還要望に応えた「沖縄への配慮」だと説明するが、そもそも鳥島は沖縄のもの。「提供」の形を繕っても人命や自然、産業を脅かしてきた政府の責任や自戒の意識が感じられない

 高所に限らず、人の吐息が掛かる所で核心を得ることも多い。先輩からは幾つも「目線」を変えてシャッターを切れ、とも教えてもらった。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月31日 
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