SSブログ

「卒啄の機」自身の殻を破ろうとした時、きっと素敵な出会いが待っている・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 人の出会いの縁を表わす言葉に「卒啄(そったく)の機」がある。もともとは禅宗の言葉らしいが、次のようにも説明される

 「卒」とは「つつく」の意味で、「啄」とは「ついばむ」の意。卵の中でヒナ鳥が目覚めて、殻を内側から打ち破ろうとつつく時、親鳥は機を逃さずに外側から殻をつつき、ヒナ鳥を新しい世界へと送り出す

 タイミングが合わなければヒナはシんでしまう。こんな自然界の不思議さは、人の世にも通じる。どんな才能の芽も、引き出してやる力がうまく働かなければ、実を結び、花が咲くことは少ない

 春のセンバツで初優勝した興南高校チームの活躍にも、そのことを痛感した。名将・我喜屋優監督の指導力に素質あふれる選手たち。決勝戦の激闘を制した興南の底力は、「卒啄の機」が育(はぐく)んだものだろう

 読者の方も自身の歩みを振り返った時、コツコツ育てた自作の「花」に、出会いの縁を感じる方は少なくないはずだ。親、先生、上司、先輩…、目を閉じればいくつもの顔が浮かぶのではないか

 小中高校の入学式がピークを迎えている。勉強やスポーツ、趣味だっていい。それぞれの夢という名の新芽に努力の「水」をやり、失敗の涙も「肥料」にすればいい。やがて芽が育ち、自身の殻を破ろうとした時、きっと素敵な出会いが待っている。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月8日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。