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世界に一つしかない自分という種、どんな花が咲くか・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 レコードの針が溝をしっかりと刻み、心地よいリズムが流れだす様が語源という。「グルーブ」。ジャズやソウルなど黒人ミュージシャンの音によく表現される

 演奏者それぞれに独特のグルーブ感がある。沖縄で生まれ育ったジャズピアニストの屋良文雄さんも無比なグルーブ感を持つ一人だった。1940年生まれ。ミュージシャンをめざしたきっかけは幼少時代、発音に難があったためだった

 「話をしなくて済む仕事につきたかった」。当時は戦後の混乱期。大学に入りピアノに熱中した。「一人で何でもできるし、主役になれる」。教員の3倍の給料があったという米軍基地内のクラブで腕を磨いた

 米軍占領下から復帰前後の混乱期に、沖縄のジャズは本土とは違う独自の歴史をたどり、「オキナワンジャズ」と呼ばれる文化に育った。一翼を担ったのが屋良さんだ

 放送作家の永六輔さんはコンサートのパンフレットにこう書いた。「屋良さんの指は 心は 島唄をうたっている」。客との一体感が生まれるライブに最後までこだわり続けた

 生前、こんな言葉を残した。「世界に一つしかない自分という種に水をまく。それは勉強や努力といった辛(つら)いものじゃない。どんな花が咲くかを考えれば楽しいもんだ」。享年70歳。音楽という万国共通の言葉は色あせない。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年4月10日 
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