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孤立を防ぐための、つながる「場」孤独や絶望の深さ、壮絶な苦しみ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 つながる―。普段、何げなく使っているその言葉の重みを意識させられたことがある

 「この会につながっていなければ、今ごろ自分はどうなっていたか」。以前、取材で足を運んだ、薬物依存からの回復を目指す自助グループの会合。自らの体験を発表するメンバーたちが、異口同音に語っていたのが印象に残った

 その言葉からは「つながる」に至るまでの孤独や絶望の深さ、壮絶な苦しみがうかがえた。同時に、同じ悩みを抱える人々が結びつき、手を携えて困難に立ち向かうことの力の大きさをも感じた

 反ヒン困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんが、出身高校での講演で、現代社会の生きづらさを語っている。「競争主義の社会は、横に人がいない社会」「そこをもう一回、『仲間のいる社会』につむぎ直していかないといけない」(11日付朝日新聞)と

 警察庁によると昨年の自サツ者(確定値)は3万2845人。12年連続で3万人を超えた。原因・動機は複合している場合が多いものの、「失業」や「生活苦」が増えるなど不況の影が顕著に現れているという

 人をシに追い込むほどの問題の解決は容易ではない。ただ、どれほど深刻な状況にあっても、つながる仲間がいれば光は見いだせるはずだ。孤立を防ぐための、つながる「場」にも思いを寄せたい。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月16日 
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「一芸に秀でる者は多芸に通ず」政治への信頼という土台が大きく揺らぐ中で・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 物の遠近感や立体感をみる能力を深視(しんし)力という。その力が秀でているのがサッカー選手らしい。瞬時に味方の位置と距離を測り、パスを出す。ゴール前の絶妙なスルーパスは素人もうならせる

 もちろん、ボールを受ける側とのあうんの呼吸が大事で、練習の積み重ねが妙技を生む。開幕まで1カ月を切ったワールド杯の日本代表23人はちょっと地味だが、いずれ劣らぬ力を持っているのだろう

 岡田武史監督は運動量と組織力を選考基準に挙げた。外国チームとの体格差を選手の和と粘りで補おうと考え、知名度よりもむしろチームがいかに有効に機能し、勝利に結びつけられる選手を選ぶかを優先させた

 比べてこちらのほうは「実」よりも「名」を選択したようだ。7月にもある参院選で各党が次々と擁立する顔ぶれを見ていると、さながら正月番組の「かくし芸大会」か

 「一芸に秀でる者は多芸に通ず」の言葉もあるが、政策論は聞こえてこず、議席の獲得に走る政党の思惑だけが透ける。まして昨夏に託した国民の願いは届かず、政治への信頼という土台が大きく揺らぐ中である

 有権者との距離を測るべき物差しまでさびてしまったのか。政治にもスポーツにも一喜一憂される側も、熱い夏に繰り広げられる二つの舞台の裏側に注ぐ眼力が問われてくる。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月15日 
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平和行進「沖縄通」歴史を知り、現場を歩いてはじめて見えてくることがあるはず・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 趣味に没頭しうんちくがどんどんたまっていくと、次はそれを披露したくなるのが人情だ。「いやぁ、通だね」と言われて悪い気はしない

 映画通に音楽通、最近ではラーメン通も増えた。4週間後に迫ったワールドカップ南アフリカ大会に向け、サッカー通は戦術論や優勝国予想で盛り上がっていることだろう

 「民主党の中で一、二の沖縄通」と公言しているのは、山岡賢次国対委員長だ。党女性議員の会議で「普天間の話は直接国民の生活には影響しない」と述べ、伊敷郁子糸満市議から猛抗議を受けて発言を撤回。その後、釈明の中で出た言葉だ

 「沖縄は第二の故郷」とよく口にしていた小渕恵三元首相がシ去して、きょうで10年がたつ。本土復帰運動にかかわるなど学生時代から何度も沖縄を訪れ、反対論が根強いなか2000年の沖縄サミット開催を決断した

 小渕さん亡き後、首相の座に就いたのは6人。世代交代も進み、沖縄問題に熱意を持つ本土の政治家は減った。普天間移設について声高に論じる人は多いが、付け焼き刃では半可通ぶりを露呈するだけだろう

 今日から5・15平和行進が始まる。沖縄の歴史を知り、現場を歩いてはじめて見えてくることがあるはずだ。本土からの参加者はぜひ沖縄通になって、この島が抱える問題を伝えてほしい。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月14日 
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親が育てられない子ども「小さな命」里子か、捨て子か、親の身勝手・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「命かぎりの頬(ほお)ずりをする」という古川柳がある。田辺聖子さんの古川柳選集「武玉川・とくとく清水」(岩波新書)に出てくる

 正確な意味は定かではないが、事情があってわが子と別れなければならない母親の心情を詠んだものだという。里子か、あるいは捨て子だろうか。泣く泣くわが子を手離す切ない光景が浮かぶ

 その母親たちは、どんな思いでわが子と別れたのだろうか。親が育てられない子どもを匿名で受け入れる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」が10日、設置から3年を迎えたというニュースを聞きながら思った

 報道によると、2007年5月の運用開始から昨年9月までに預けられた子どもは51人(男児28人、女児23人)。会見した病院の理事長らは、「多くの母子が救われた」と強調し、国による母子支援の整備を求めている

 親の身勝手さを責め、「ポスト」の存在が捨て子を助長してると指摘するのはたやすい。だが、そのお陰でギャク待を逃れ、救われた「小さな命」もあったのだとすれば、考え込んでしまう

 田辺さんの選集には、赤ちゃんの可愛(かわい)い仕草(しぐさ)を詠んだ「みどり子の欠伸(あくび)の口の美しき」という句もある。あの日、わが子を手放したお母さんもきっと、最後に抱きしめた温もりと可愛い仕草を思い出し、眠れぬ夜もあるだろう。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月13日 
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伝統工芸の「普段使い」現代の新しい何かを生み出す・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 イタリア・ミラノで紅型生地を使った洋服のファッションショーが開かれる(11日社会面)。ファッションの都、オペラの殿堂を擁する華やかな欧州の拠点で紅型ドレスがどう映えるのか。楽しみが膨らむ

 染色家で沖展会員の知念貞男さん(78)=那覇市=が生地を提供しイタリア在住のデザイナーと共同で20点作った。洋の東西を越えた共同作業で、知念さんは「紅型にも新しい何かが生まれる」と期待する

 知念さんの次女・杉子さん(43)が橋渡し役になった話がすてきだ。イタリアを拠点に活動するピアニストで、父からもらった紅型をドレスに仕立て直し、コンサートで着用、デザイナーの目に留まった

 知念家は、琉球王府の御用を務めた「紅型三宗家」のひとつ。8代目の知念さんは沖縄の伝統に、娘は西欧音楽の伝統に携わる。父娘の伝統を掛け合わせ、現代の「新しい何か」を生み出すもう一つの共同作業だ

 県内でも近年、紅型柄をモチーフにした雑貨類や洋服への応用など、伝統工芸の「普段使い」が進む。県も伝統を踏まえた現代の商品開発を重要な産業政策としてとらえている

 ミラノの後は杉子さんのピアノ演奏とともに県内でお披露目してもらいたい。紅型ドレスに合うのは、色彩豊かなラヴェルかストラヴィンスキーか…。うーん、聴きたい。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月12日 
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5月15日「本土復帰の日」一向に変わらぬ米軍基地の存在の大きさ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 本土復帰の日は、沖縄にとって祝賀の日なのだろうか。鳩山由紀夫首相が5月15日の来県を見送ったとのニュースを聞いて、ふと考えてしまった

 小学生のころ、復帰の日に学校で紅白の饅頭(まんじゅう)が配られた。数年続いたような記憶がある。玄関先に日の丸の旗を掲げる家も少なくなかった。今ではあまり見られなくなった光景だ

 一方、復帰35年目に当たる2007年の本紙の世論調査では「本土に復帰してよかった」が89%で、評価する声が圧倒する。世論調査の数字と裏腹に薄れゆく祝賀ムードが、県民が抱える復帰に対する複雑な感情を象徴しているように思える

 祝賀の色が薄れた要因は時の経過だけでないだろう。一向に変わらぬ米軍基地の存在の大きさ、多発する米軍や米兵による事件事故。復帰前に切望したことがかなえられていないという現状がある

 「5・15」の来県を希望したという鳩山首相。その目的が米軍普天間飛行場の「県外移設」を望む多くの県民の声に逆行する「政府案」の説明だとすれば、なおさら理解不足と思われても仕方がない

 政府は、首相が重ねて明言してきた「5月末決着」を見送る方針のようだ。新たな案を模索するための先送りだと思いたい。もうすぐ迎える38回目の記念日の意義を踏まえた案にするために。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月11日 
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二者択一では納まらない、打ち出す政策が票目当てだけのようにも見える・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 1960年代後半、英国でウィルソン率いる労働党が政権を担ったころ、すでに同党と保守党の政策上の争点は消えつつあり、党首のイメージが大きな役割を果たすようになった

 歴史家の故萩原延壽(のぶとし)が67年に記した論考だ(みすず書房「自由の精神」)。先日の英総選挙も中道色が強まった各党の政策より党首の好感度に注目が集まった、といわれる

 日本もモデルにした二大政党制だが、おひざ元が揺れている。選挙は2政党の政策からこぼれ落ちた有権者の欲求不満が行き場を求めた結果だろう。長年続いた体制の手詰まりに、もがいているようにも見える

 では日本はどうか。民主・自民両党首のふがいなさもあって、個々の政策の道筋が見えない。これに乗じて、新党の芽が次々出てくるが、どの顔ぶれも自民と民主を小さくまとめた印象が強い

 先の論考では、限られた資源を満遍なく振り当てようとするウィルソンの手法を人気取りと批判した雑誌編集者の指摘も引用している。打ち出す政策が票目当てだけのようにも見える日本の政治状況にかぶさる

 鳩山由紀夫首相は、今後も二大政党制を追求するという。が、英国の現実はその限界も示している。二者択一では納まらない多様な意見をどう生かすか。政治の先輩である英国から学ぶことは多い。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月10日 
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親の経済力で子どもの将来が限られてしまう社会では、希望も持てず未来はない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 花言葉は「純粋な愛情」「母の愛情」。街の花屋に真っ赤なカーネーションがあふれる季節

 「母の日」にちなみ、子ども支援の活動に取り組む国際NGOセーブ・ザ・チルドレンが「母親になるのに最も適した国」ランキングを発表した。対象160カ国中、日本は32位。ちなみに1位はノルウェーだった

 日本の場合、5歳未満のシ亡率や子どもの就学に関する数値は相対的に高かったものの、女性が働きながら子育てする環境に課題があるとされたようだ。確かに子育てを支援する社会的な態勢は十分ではなく、追い詰められている母親たちは少なくない

 「体を壊すほど働かなくては生計を維持できない」「(生活や精神面で)安定できない状態は子どもの負担にならないか心配」―NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」がこのほどまとめた教育実態調査報告書からは一人で子どもを育てる母親たちの悲痛な叫びが聞こえてくる

 母子家庭の厳しい状況は、そのまま子どもたちを直撃する。「親の経済力で子どもの将来が限られてしまう社会では、希望も持てず未来はない」と高校生の息子を持つ母親は嘆いた

 わが子を思う母の愛情だけでは立ちゆかない現実がある。支援の充実は急務だ。日々頑張っているお母さんたちに、希望を失ってほしくない。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月9日 
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負担を押し付ける「抑止力」という呪文が飛び出し、大手を振りはじめた・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 見上げる空はどんより低く、季節は鬱(うっ)陶(とう)しさを増していく。晴れた日には耕し、雨には書物にふける、という悠々な生活にはほど遠い空気が島全体を覆い、気分を一層めいらせている

 「普天間」をめぐる国の指導者の発言があまりに軽い。首相は選挙戦で公言した県民との約束をいとも簡単にほごにし、公約違反ではないと開き直った。国対委員長は国民に直接影響しない問題だと切り捨てた

 あらためて言うまでもなく、政治家の最大の武器は言葉である。内なる情熱を言の葉に乗せ、相手に伝えることで信を得るはずだが、今や重いはずの言葉がやせ細ってしまい、軽んじられている

 風船のように膨らませてはすぐに空に消えてしまっていいはずはない。一方では、彼らの口からこの島に負担を押し付ける口実として使い古されてきた「抑止力」という呪文が飛び出し、大手を振りはじめた

 当然語られるべき具体論を置き去りにしたまま。それとも在沖の海兵隊が一年の半分前後を紛争地や海外での訓練に出ている都合の悪い実像はグッとのどに押し込んでいるのか

 梅雨前線は数カ月をかけ、列島を北上する。時に東シナ海の湿った空気が前線を刺激し、本土に集中豪雨をもたらす。「姿なき台風」とも呼ばれる。裏切られた民意は怒りの風に変わりかねない。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月8日 
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県内・県外、移設が厳しい「愚直に」沖縄の現状を見て対話を重ねれば・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 米軍機の爆音がやむのは米国の祝・休日か、日本のVIPが来県する日ぐらいだと県民の間では皮肉交じりに語られてきた。鳩山首相が普天間基地を視察した4日は、首相への説明も遮る爆音がとどろいた

 続いて開かれた住民との対話集会で、首相はメモを取り、丁寧な言葉遣いでこたえるものの、声や表情は単調で、何が何でも県民を説得しようという気迫は感じられなかった

 県外・国外移設を米軍や全国の自治体と交渉してきた形跡が見られず、「最低でも県外」の公約をほごにした経緯の説明もないままでは、政権交代で期待値が高まった県民を納得させられるはずがなかった

 ただ、現役首相が沖縄を訪れ、1時間超も県民と直接対話したことは異例であり、評価すべきだ。しかも首相は「県民の気持ちを学びたい」と2度も訴え、再来県の意志を示した。それが真意なら、希望は残る

 先月の党首討論後、首相は「(現行案を拒んだ)愚直さを今こそ生かしたい」と言っていたが、4日の来県で辺野古修正案をはじめ国内への移設が厳しいことは学んだと思う

 時間はまだある。沖縄の現状を見て対話を重ねれば、選択肢はおのずと「国外」になるはずだ。首相が「愚直に」理解を求めるべき相手は、県民ではなく米国であることを知ってほしい。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月7日 
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