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負担を押し付ける「抑止力」という呪文が飛び出し、大手を振りはじめた・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 見上げる空はどんより低く、季節は鬱(うっ)陶(とう)しさを増していく。晴れた日には耕し、雨には書物にふける、という悠々な生活にはほど遠い空気が島全体を覆い、気分を一層めいらせている

 「普天間」をめぐる国の指導者の発言があまりに軽い。首相は選挙戦で公言した県民との約束をいとも簡単にほごにし、公約違反ではないと開き直った。国対委員長は国民に直接影響しない問題だと切り捨てた

 あらためて言うまでもなく、政治家の最大の武器は言葉である。内なる情熱を言の葉に乗せ、相手に伝えることで信を得るはずだが、今や重いはずの言葉がやせ細ってしまい、軽んじられている

 風船のように膨らませてはすぐに空に消えてしまっていいはずはない。一方では、彼らの口からこの島に負担を押し付ける口実として使い古されてきた「抑止力」という呪文が飛び出し、大手を振りはじめた

 当然語られるべき具体論を置き去りにしたまま。それとも在沖の海兵隊が一年の半分前後を紛争地や海外での訓練に出ている都合の悪い実像はグッとのどに押し込んでいるのか

 梅雨前線は数カ月をかけ、列島を北上する。時に東シナ海の湿った空気が前線を刺激し、本土に集中豪雨をもたらす。「姿なき台風」とも呼ばれる。裏切られた民意は怒りの風に変わりかねない。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月8日 
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