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二者択一では納まらない、打ち出す政策が票目当てだけのようにも見える・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 1960年代後半、英国でウィルソン率いる労働党が政権を担ったころ、すでに同党と保守党の政策上の争点は消えつつあり、党首のイメージが大きな役割を果たすようになった

 歴史家の故萩原延壽(のぶとし)が67年に記した論考だ(みすず書房「自由の精神」)。先日の英総選挙も中道色が強まった各党の政策より党首の好感度に注目が集まった、といわれる

 日本もモデルにした二大政党制だが、おひざ元が揺れている。選挙は2政党の政策からこぼれ落ちた有権者の欲求不満が行き場を求めた結果だろう。長年続いた体制の手詰まりに、もがいているようにも見える

 では日本はどうか。民主・自民両党首のふがいなさもあって、個々の政策の道筋が見えない。これに乗じて、新党の芽が次々出てくるが、どの顔ぶれも自民と民主を小さくまとめた印象が強い

 先の論考では、限られた資源を満遍なく振り当てようとするウィルソンの手法を人気取りと批判した雑誌編集者の指摘も引用している。打ち出す政策が票目当てだけのようにも見える日本の政治状況にかぶさる

 鳩山由紀夫首相は、今後も二大政党制を追求するという。が、英国の現実はその限界も示している。二者択一では納まらない多様な意見をどう生かすか。政治の先輩である英国から学ぶことは多い。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月10日 
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