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親が育てられない子ども「小さな命」里子か、捨て子か、親の身勝手・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「命かぎりの頬(ほお)ずりをする」という古川柳がある。田辺聖子さんの古川柳選集「武玉川・とくとく清水」(岩波新書)に出てくる

 正確な意味は定かではないが、事情があってわが子と別れなければならない母親の心情を詠んだものだという。里子か、あるいは捨て子だろうか。泣く泣くわが子を手離す切ない光景が浮かぶ

 その母親たちは、どんな思いでわが子と別れたのだろうか。親が育てられない子どもを匿名で受け入れる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」が10日、設置から3年を迎えたというニュースを聞きながら思った

 報道によると、2007年5月の運用開始から昨年9月までに預けられた子どもは51人(男児28人、女児23人)。会見した病院の理事長らは、「多くの母子が救われた」と強調し、国による母子支援の整備を求めている

 親の身勝手さを責め、「ポスト」の存在が捨て子を助長してると指摘するのはたやすい。だが、そのお陰でギャク待を逃れ、救われた「小さな命」もあったのだとすれば、考え込んでしまう

 田辺さんの選集には、赤ちゃんの可愛(かわい)い仕草(しぐさ)を詠んだ「みどり子の欠伸(あくび)の口の美しき」という句もある。あの日、わが子を手放したお母さんもきっと、最後に抱きしめた温もりと可愛い仕草を思い出し、眠れぬ夜もあるだろう。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月13日 
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