SSブログ

「一芸に秀でる者は多芸に通ず」政治への信頼という土台が大きく揺らぐ中で・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 物の遠近感や立体感をみる能力を深視(しんし)力という。その力が秀でているのがサッカー選手らしい。瞬時に味方の位置と距離を測り、パスを出す。ゴール前の絶妙なスルーパスは素人もうならせる

 もちろん、ボールを受ける側とのあうんの呼吸が大事で、練習の積み重ねが妙技を生む。開幕まで1カ月を切ったワールド杯の日本代表23人はちょっと地味だが、いずれ劣らぬ力を持っているのだろう

 岡田武史監督は運動量と組織力を選考基準に挙げた。外国チームとの体格差を選手の和と粘りで補おうと考え、知名度よりもむしろチームがいかに有効に機能し、勝利に結びつけられる選手を選ぶかを優先させた

 比べてこちらのほうは「実」よりも「名」を選択したようだ。7月にもある参院選で各党が次々と擁立する顔ぶれを見ていると、さながら正月番組の「かくし芸大会」か

 「一芸に秀でる者は多芸に通ず」の言葉もあるが、政策論は聞こえてこず、議席の獲得に走る政党の思惑だけが透ける。まして昨夏に託した国民の願いは届かず、政治への信頼という土台が大きく揺らぐ中である

 有権者との距離を測るべき物差しまでさびてしまったのか。政治にもスポーツにも一喜一憂される側も、熱い夏に繰り広げられる二つの舞台の裏側に注ぐ眼力が問われてくる。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月15日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。