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熱帯夜の中、にわかファンもにわか憂国の士も「ニーブイ」との戦いが続き・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ハエはハエでも人々をこんなに勇気づけ、熱狂させてくれるのはいない。遠く離れた南アフリカで「ハエ」たちが縦横無尽に活躍する

 サッカーW杯で日本が決勝トーナメント進出を決めた。「表現は悪いが、ハエがたかるように何度も何度もチャレンジする」。大会に臨む姿勢を問われ岡田監督が口にした言葉だ。その戦術が功を奏した

 サッカーの世界は広い。攻撃と守備に境をなくし、相手にまとわりつく。日本は愚直に走り続ける戦法を選択した。スタジアムに響く南アの楽器ブブゼラの音もまた、それを連想させる

 史上最高選手の一人に挙げられるオランダのクライフは言った。「だめなやつらが走るんだ。相手をもっと走らせろ」。日本は逆だ。美しさや意外性には乏しいが、泥臭くゴールに向く。「己を知りうる者は賢者なり」を地でいく

 ふだんならここらあたりで、政界の有(あ)り様(さま)と対比するところだが、ひたむきにボールを追う選手と比べるにはあまりにもったいない。強いて言えば、期待に応えきれない「緩んだ政治」との大きな落差か

 「目標はまだ先」と本田選手は頼もしい。「勝つチームは勝つだけの何かを持っている」。クライフの弟子ライカールトの言葉だ。熱帯夜の中、にわかファンもにわか憂国の士も「ニーブイ(眠気)」との戦いが続きそうだ。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月26日 
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