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身近にいる生き物に心奪われ歓声を上げたり、季節の移ろいや風のにおいを感じ取る・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 クモといえば苦手な人の方が多いだろう。グロテスクなその姿。ひそかに網を張り、獲物を狙う不気味さ。一方で日差しを浴びてキラキラ輝くクモの巣の造形に、美しさを感じることも

 第19回ふくふく童話大賞受賞作「クモッチの巣」は、クモの興味深い生態がモチーフになった作品。その不思議さに気付いた男の子を主人公に、苦手な友人との交流をからめつつ素直な心の動きを描いている

 「子どもの気持ちの分かる大人になる」。作者の南ふうさんが小学生のころ、自分自身に誓った思いに向き合って書き上げた作品だという(2日付紙面に全文掲載)

 自然の営みが感じづらくなっている時代。子どもたちを取り巻く環境もせわしないが、それでも、身近にいる生き物に心奪われ歓声を上げたり、季節の移ろいや風のにおいを感じ取る力を潜在的に持っている

 そばにいる大人は、押しつけるのではなく、自発的な気付きのきっかけを子どもたちに与え、そっと寄り添う存在でありたい。児童文学の意味もそこにあるように思う

 同賞の審査委員長、作家の嶋津与志さんが選評で「よく見て深くとらえる」ことの重要性を指摘している。その好例とされた大賞受賞作。きっと親子で共感できるはずだ。夏の日差しに輝くクモの巣を一緒に探しに出掛けてはいかが。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年7月4日 
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