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「プラセボ効果」命をよみがえらせる「魔法」は存在しない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 最近は見かけなくなったが、ラグビーの試合で倒れた選手にやかんの水をかける場面がよくあった。激しいダメージでもすぐ回復するところから「魔法の水」と呼ばれたが、中身はただの水道水だ

 私たちは苦痛から逃れるすべとして多くを医学に頼るが、生来備え持つ自然治癒力もまた大きい。薬の成分が入ってない偽薬でも、飲んだ安心感からか、本物の薬と同じような結果が出る「プラセボ効果」もある

 「病は気から」という言葉があるように、かかるのにも治すのにも精神的な部分が少なからず作用しているといえる

 日本学術会議は24日、「科学的根拠は明確に否定され、荒唐無稽(むけい)」として、民間療法「ホメオパシー」を治療に使わないよう医療従事者に求めた。ホメオパシーとは動植物や鉱物などの成分を薄めた水にして染み込ませた砂糖玉を飲む療法

 普及団体はがんや皮膚病、精神疾患などほぼすべての病気を治療できると主張するが、現代医療を否定しているのではなく協力する立場という(25日付朝日新聞)

 誤診や副作用など、確かに医学は完全ではない。何を信じるかは個人の自由だが、早期発見・治療の有効性を疑う人はいないだろう。ならば適切な治療機会を逃す愚だけは避けたい。命をよみがえらせる「魔法」が存在しないことだけは明白だ。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月27日 
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終戦記念日。歴史に学び、次世代につなげる手掛かり・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 外務官僚出身の吉田茂元首相が、大戦から6年たった1951年に外務省の担当者に作成させた興味深い文書がある

 「日本外交の過誤」と呼ばれる文書は、満州から太平洋と連なる諸外国との戦いを対外政策の失敗と位置付け、具体的に開戦に至った原因や回避できる手法の模索まで綿密に報告している

 例えば、日独伊三国同盟の在り方を「百害あって一利なき業であった」と批判。外交に当たる者の反省点を列挙し、「夢を追うて現実を忘れ、理性を失ったために誇大妄想に陥ってしまった。情勢判断の眼は希望的思考でくもらされた」と結論づけた

 文書はその後、約50年も機密扱いされたが、「後世の参考に役立てたい」と、外交のゆがみに毅然(きぜん)と向き合い、正していこうとした吉田の気概は今も古びていない

 今の日本外交に重ねてみればどうか。今年3月、政府は大きな閣議決定をした。2003年、米国が始めたイラク戦争に時の小泉政権が決めた自衛隊のイラク派遣を「違憲ではない」とした

 野党時代、同戦争を否定し続けた民主党は政権を取り、なぜ変容したのか。欧州ではすでに検証が始まり、オランダは国際法違反だったとしている。15日は終戦記念日。吉田が残した半世紀前の文書には歴史に学び、次世代につなげる手掛かりが見つかる。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月14日 
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舞台「お笑い米軍基地」戦争や基地の恐ろしさを知り、見た人の心に残るもの・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 たとえば国際通りに生々しい戦争資料館を造り、米の原潜が入港するたびに県を挙げて派手なパレードで歓迎する。スナックでは沖縄戦体験者のトークで接客する―

 沖縄の基地問題解決に、お笑い芸人の小波津正光さん(36)は、日本政府ではなく観光客に直接訴えるアイデアを示す。「そしたら、本土との落差、沖縄の異常さに気づくさ」。ネタか本気か。大きな目がいたずらっぽく笑う

 6年前のきょう、宜野湾市の沖縄国際大学に米海兵隊のヘリが墜落した。東京で活動していた小波津さんの30歳の誕生日であり、舞台「お笑い米軍基地」が生まれるきっかけとなった日でもある

 基地とカネ、爆音、人間の鎖、県民大会、理想と現実、そして矛盾を、県民が共感しウチアタイするコントに仕立ててきた。1年のつもりが6年目の今年も多くの客を集めた。タブーを排するためスポンサーは募らず、独自の表現、笑いにこだわってきた

 独自の表現とは、反戦漫画「はだしのゲン」に通じる。戦争をせずとも、戦争や基地の恐ろしさを知り、見た人の心に残るものを追求してきた。客席では笑い転げても、家に帰ったとき現状を疑う意識が芽生えるように

 小波津さん、基地問題の解決策は? 「ウチナーンチュが米大統領になるしかないです」。ネタか本気か。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月13日 
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「ケンツビッチ音楽祭」トランペットの音色に連なる津堅さんのメッセージ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 夏休みや旧盆で帰省する旧友との会話は楽しい。仕事や子どものことなど互いの近況報告に始まり、同級生や恩師、出身校の話に広げては時の空白を埋め、過去と今をつなぐ

 遠く、長く離れた人ほど故郷の事柄に敏感だ。この夏は普天間問題への政府対応に怒り、「沖縄に不明高齢者がおらずほっとした」と地域力を誇る友を見て、こちらもあらためて愛郷心を刺激された

 県出身トランペット(Tp)奏者の津堅直弘さん(60)が「ケンツビッチ音楽祭」と題し15日に浦添市で演奏会を開く。ケンツ―は作曲時のペンネームで「作曲家津堅」の作品のみを演奏する異色の舞台だ

 今年2月、32年間首席を務めたNHK交響楽団を退団した。定年まで首席を通したTp奏者は国内プロで例がない。技術や音楽性に加え気力、体力ともに優れた奏者の証しで日本Tp協会会長就任もうなずける

 演目の一部を聴く機会があったが、沖縄音階を巧みに取り入れた作品が多く、沖縄戦の悲劇に思いをはせ平和を願う「レジェンド」は圧巻。沖縄の美しさ、平和の尊さが音楽から伝わってくるようだ

 演奏活動の大半を県外で過ごした分、故郷への思いが募るのか。強く、優しく、輝いて…。Tpの音色に連なる津堅さんのメッセージも感じてほしい。てだこホールで午後2時半から。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月11日 
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「オール沖縄」若い才能を伸ばしてあげたいという指導者の熱意が感じられる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 重量挙げは、地味に見える競技だが、実際に会場で見ると、体重の2倍以上の重量を持ち上げる選手の集中力の高め方や他選手との駆け引きなど独特の面白さがある

 美ら島総体の重量挙げ競技(8~11日)は、53キロ級の玉寄公博選手(南部工)が日本ジュニア新記録で優勝を飾るなど、県勢が好調なスタートを切ったようだ

 重量挙げの練習を何度か取材したことがある。熱気のこもる室内で、同じ動作を何度も繰り返す。単調な練習に耐える精神力が試される、という指導者の言葉を実感した

 他校の生徒が一緒に練習に参加し、指導者も分け隔てなくアドバイスを送る姿もあった。11日の105キロ超級に出場する豊見城南高校の大城優太選手も、毎日南部工業高校に通い、練習を重ねてきたという

 競技人口が少ないこともあるだろうが、学校の違いに関係なく、若い才能を伸ばしてあげたいという指導者の熱意が感じられる。これまで男女合わせて6人の五輪選手を輩出してきた重量挙げ王国沖縄の強さの秘訣(ひけつ)だろう

 玉寄選手をはじめ、総体に出場する県選手の多くが五輪出場を目標に掲げる。身近な先輩たちが成し遂げてきただけに、遠い夢ではない。「オール沖縄」で築き上げてきた伝統が引き継がれ、世界を目指す若者が次々と育っているのが頼もしく映る。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月10日 
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65年後の今、生まれ変わった街のにぎわい、夏の華やぎ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ハーフムーンでは、泥と豪雨のなか、ウジ虫と腐りゆくシ体に囲まれている。(中略)私はそれを沖縄でいやというほど見てきた。私にとって、あの戦争は狂気そのものだった

 1945年、沖縄戦を体験した米軍第一海兵師団の一兵士が記した証言だ(「ペリリュー・沖縄戦記」講談社学術文庫)。ハーフムーンは、現在の真嘉比小学校そばに位置した丘で、シュガーローフ同様、激戦地となった

 スティーブン・スピルバーグらが制作総指揮したテレビドラマの基になった著作といわれる。そこに描かれているのは、延々と砲撃が続く最前線で身も心も崩壊する兵士を生み出す戦争の狂気だ

 嘉数、沢岻、大名、安波茶など、身近な地名が登場するだけに、非道な光景がより現実味を増し心は震える。著者は「戦争は野蛮で下劣で恐るべき無駄」と断じる

 本紙連載の「忘れまい 65年の言魂(ことだま)」は、集中砲火の中を辛うじて生還した人たちの証言だ。戦況も知らされぬまま、逃げ惑った体験は、兵士とはまた違う恐怖と絶望を映し出す

 あの夏、数え切れない命が失われた。「慰霊の日」から広島、長崎、「終戦記念日」へと続くこの時期。65年後の今、生まれ変わった街のにぎわい、夏の華やぎとのあまりの落差に触れるにつけ、戸惑うことの多い重い季節でもある。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月9日 
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「あの日」心に傷を負った人々の記憶は日々失われていく・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 65年前の8月9日昼。原爆搭載機「ボックスカー」が長崎上空経由で、地上戦で荒廃とした読谷飛行場に降り立った。わずか2時間前、長崎市内の軍需工場で働く旧糸満町出身の男性は強い光と熱を浴びていた

 「ぽかーんと音がして、ふわふわ、溶接やっているような」。あの一瞬をそう表現している。核廃絶の思いを胸に40年の歳月と私費を投じ、故伊藤明彦さんが全国で拾い集めた被爆者の声に収められている

 「真夏の沖縄の太陽…後ろから、熱くて」。男性は命をつないだが、しばらく犠牲者の「片付け」に追われた。人が豚か鶏かのようだったという。立ったまま絶命した人、水を求め川辺に並んだ人の石垣も目にした

 ふるさとに戻り、一時は「戦果」で生計を立てたが、放射能の影響か、次第に体に異変が起き、家に閉じこもる。伊藤さんの取材を受けたのは復帰直後で男性は51歳

 「沖縄はあんまり米軍基地が多すぎるよ。あの基地を撤去できたら理想的な国になる。日本が核を持つ必要はない。持ったら滅びるよ」。聞き取りはこう結ばれる。男性は健在なら87歳

 オキナワ、ヒロシマ、ナガサキ。「あの日」多くの命が失われ、心にも傷を負った人々の記憶は日々失われていく。それに比べ基地負担の減少、核廃絶への歩みはあまりに鈍すぎる。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月7日 
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不安と不信の傘より、黒い雨を降らせないための対話が必要・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 熱戦が続く美ら島沖縄総体は今日で10日目を迎える。かんかん照りに突然のスコール、不安定な天候が続くが、培ってきた力を存分に発揮できているだろうか

 思えばお天道様には開会式から泣かされてきた。式直前は、雨具が役に立たないほど強い風雨に見舞われた。遠雷を聞きながら、ずぶぬれのまま10分近く待たされた空手演武の皆さんが体調を崩さなかったか、今も気にかかる

 被爆65年の今日は、広島にとって歴史的な一日となる。ルース駐日米大使や英仏の代表、国連の潘基文事務総長が初めて平和記念式典に出席する予定で、核廃絶へ国際機運が高まる中、主要な核保有国が広島に集う意味は大きい

 平和宣言で秋葉忠利市長は、被爆者の願いを初めて広島弁を使って読み上げ、日本政府には米国の「核の傘」からの離脱と非核三原則の法制化を求めるという

 「核の傘」の下にある同盟国が核攻撃を受けたとき、報復の義務を米国が本当に果たすか疑問は残るが、唯一の被爆国として核使用に賛成はできないだろう。何より傘の下にいては、原爆の悲惨な歴史を世界に伝え、核廃絶を訴える力を弱める恐れがある

 やまない雨がないように、対立する国々にも和解の日は来ると思いたい。不安と不信の傘より、黒い雨を降らせないための対話が必要なはずだ。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月6日 
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幼子があまりにも不憫、育児放棄の果てに起きた悲劇、やりきれなさばかりが募る・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 歌人の河野裕子さんに、幼いわが子を思う親心を詠んだ一首がある。〈朝に見て昼には呼びて夜は触れ確かめをらねば子は消ゆるもの〉

 顔を見て、名前を呼び、抱きしめてあげる。片時でも目を離したら、わが子はどこかに行ってしまうかもしれない。人の親ならば、自然な心情であろう

 何故、幼いわが子を1カ月余りも放置したのだろうか。先月末、大阪市西区のマンションで起きた幼い姉弟が遺体で見つかった事件の続報を聞くにつれ、やりきれなさばかりが募る

 今回も、隣人が異変に気付き、児童相談所に通報したが、適切な対応ができず、幼い命を救えなかった。法律や制度の限界があったにせよ、「わが子だったら…」と思って対応していたら違った展開になっていただろう

 事件は逮捕された母親の育児放棄の果てに起きた悲劇である。悲惨な結末よりもショックだったのは、「1週間ぐらいしてからはシんでいるかもしれないと思っていた。でも助けなければという気持ちにはならなかった」との母親の言葉だ

 河野さんには育児の喜びを詠んだ歌もある。〈しつかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合わせ〉。逮捕された母親にも心からそう思える時があったはずである。そうでなければ、二人の幼子があまりにも不憫(ふびん)である。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月5日 
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読みたい本と読ませたい本。大人と子供の葛藤はいつの時代も変わらない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 漫画とともに育ってきた世代だけに、今でも雑誌で読んでいる漫画がある。県出身のなかいま強さんがゴルフを題材に描く「黄金のラフ」もその一つだ

 20年にわたって少年漫画誌に連載された「わたるがぴゅん!」と同じく、個性豊かなキャラクターや巧みなストーリーは、読者を飽きさせない

 県立博物館・美術館で開かれている「沖縄マンガ展」では、なかいまさんをはじめ、多くの漫画家の作品が展示され、これまでの歩みを紹介している。若手の出品も多く、県内での漫画文化の広がりや可能性も感じさせてくれる

 私が小学生のころは、「漫画ばかり読むと頭が悪くなる」などと言われ、批判の対象にもなった。NHK連続ドラマ「ゲゲゲの女房」でも、悪書追放運動として、漫画をやり玉に挙げる大人たちが出てくる場面があった

 明治時代末期の新聞には「近年の子供は、夏目漱石などの小説ばかり読んで、漢文を読まない。子供の危機である」との記事があったという「サンデーとマガジン」(光文社新書)

 夏休みの真っ最中。「漫画ばかり読んでないで」と怒られている子供たちも多いだろう。今はゲームかも知れない。その親たちも同じようにしかられた世代だ。読みたい本と読ませたい本。大人と子供の葛(かっ)藤(とう)はいつの時代も変わらないようだ。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月3日 
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