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終戦記念日。歴史に学び、次世代につなげる手掛かり・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 外務官僚出身の吉田茂元首相が、大戦から6年たった1951年に外務省の担当者に作成させた興味深い文書がある

 「日本外交の過誤」と呼ばれる文書は、満州から太平洋と連なる諸外国との戦いを対外政策の失敗と位置付け、具体的に開戦に至った原因や回避できる手法の模索まで綿密に報告している

 例えば、日独伊三国同盟の在り方を「百害あって一利なき業であった」と批判。外交に当たる者の反省点を列挙し、「夢を追うて現実を忘れ、理性を失ったために誇大妄想に陥ってしまった。情勢判断の眼は希望的思考でくもらされた」と結論づけた

 文書はその後、約50年も機密扱いされたが、「後世の参考に役立てたい」と、外交のゆがみに毅然(きぜん)と向き合い、正していこうとした吉田の気概は今も古びていない

 今の日本外交に重ねてみればどうか。今年3月、政府は大きな閣議決定をした。2003年、米国が始めたイラク戦争に時の小泉政権が決めた自衛隊のイラク派遣を「違憲ではない」とした

 野党時代、同戦争を否定し続けた民主党は政権を取り、なぜ変容したのか。欧州ではすでに検証が始まり、オランダは国際法違反だったとしている。15日は終戦記念日。吉田が残した半世紀前の文書には歴史に学び、次世代につなげる手掛かりが見つかる。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年8月14日 
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