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伝えられてきた形「私」を超えて脈々とつながる手仕事へのこだわり・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 20年以上前、紅型復興に尽力した故城間栄喜さんに伝統文化を継ぐことの意義を尋ねたら、「仕事だからね」と返ってきた。熱意のほどを期待したが、口調は淡々としていた

 似たような言葉を、城間さんの弟子の藤村玲子さん(71)も第53回沖縄タイムス賞受賞のインタビューで述べている。「職人だから。生活に仕事がしみついている」と。歴史と深くかかわる職に携わりながらも驕らない姿勢。長年の経験に基づき高い領域に達した匠の心持ちなのだろう

 同じく受賞者の金細工師又吉健次郎さん(78)は、オリジナルの作品を作る方向になることを戒める。「伝統を継続するということは、伝えられてきた形を残すこと」と語っている

 浅はかな素人目からすれば、伝統工芸といえど作家の個性があっていいのではないか、一人一人のこだわりや目新しさが作品からにじみ出ることがあってもいいのでは、とも思う

 しかし、歴史を振り返ると、多くの無名の職人の礎があって、現在の工芸があるのは確かだ。歴史の重みの前に「滅私」し、受け継いできた伝統の本流を守り通すことの大切さを、又吉さんは説いたのだと思う

 長く使用され愛されている工芸品には過去の評価に耐えた重みがある。「私」を超えて脈々とつながる手仕事へのこだわりもまた見えてくる。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月29日 
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