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一人一人の依存心や無力感「針が大きくふれる」何ものも頼らず自らの思考と足で立つ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 茨木のり子さんの詩に「苦しみの日々/哀(かな)しみの日々/それはひとを少しは深くするだろう」という作品がある。小泉政権後を振り返り、その詩を思い出した

 「いざなぎ超え」の景気で潤った企業や勝ち組は、春を謳歌(おうか)したが経済指標が示すほど、生活が豊かになった実感はなかった。むしろ、格差や貧困の暗雲が広がり、ささくれだった人の心は金融危機のどしゃ降りに遭った

 政治家のワンフレーズに飛びつく安直さがなかったかとの自戒もある。今までの状況を生み出したのは一人一人の依存心や無力感だったと。「政治で生活は変わらない」との思いが国に向ける視線を虚(うつ)ろにしたのではないか

 茨木さんの詩はこう続く。「さなかには心臓も凍結/息をするのさえ難しいほどだが/なんとか通り抜けたとき 初めて気付く/あれはみずからを養うに足る時間であったと」

 暮らしが行き詰まる中、多くの人が、「政治=生活」と感じ国を変える力を取り戻したいと望んだ。その結果が今選挙での地殻変動だ。しかし、郵政選挙の時といい、針が大きくふれるさまは、地に足がつかないようで落ち着かない

 茨木さんには「倚(よ)りかからず」という詩もある。何ものも頼らず自らの思考と足で立つ。聞こえのよいマニフェストのフレーズに惑わされず政治と向き合う時がきた。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年8月31日 
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