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「新しい水」心温まる雰囲気・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 知人の娘とはいえ年頃になったことを知ると気になるもの。ましてや父が早世、母一人子一人の生活を知るとなおさらだ

 先日、そんな母子から結婚披露宴の招待状が届いたので万難を排して出席した。赤の衣装に身を包み、緊張気味の新婦に黒の紋付きの新郎。ひな壇の傍らには画面を赤と黒で二分割した亡き父の作品が、存在感を放つように鎮座する

 遺作と同様、赤と黒の新婦と新郎。その光景にハッとした。八重山の秘祭をモチーフにした作品のメッセージは社会の核を形成する男と女、それを越えて世界のあらゆる二項対立の構図にある

 小規模ながら心温まる雰囲気。キャンドルサービスもなければケーキカットもない。代わりに二人の地元の酒を一つの瓶に納める「水合わせ儀」が執り行われた。互いの人格を形成した家の水を融合させ新しい水を作るという意味だ

 お色直しもなく、最小限にとどめられた親類縁者、親交ある舞踊家による祝福の舞台を二人はしっかりと受け止めていた。余興は決してお色直しの時間の場つなぎではないのだとつくづく思う

 言うまでもなく、結婚披露宴は人生における大切な通過儀礼の一つだ。それを忘れたお祭り騒ぎが多い昨今。厳粛さのかけらもない。成人式しかり。土地の神の存在を背景にした厳粛さがほしい。(真久田巧)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年1月21日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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