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「おくりびと」遺体に接し、死と向き合う場面は少なくなっている・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 映画「おくりびと」は遺体に死に装束、化粧を施し、棺に納める「納棺師」という聞き慣れない職業を取り上げた異色の作品だ。日本人独特の死生観が評価され、米アカデミー賞外国語映画賞部門ノミネート五作品に選ばれた

 青木新門さんが書いた『納棺夫日記』(文藝春秋)が映画製作のきっかけ。青木さんは死をタブー視する世間の無理解に苦しむが、自らの存在が認められたある出来事を契機に納棺の仕事に徹するようになる

 「社会通念を変えたければ、自分の心を変えればいいのだ」と同書の中で語っている。映画で死に装束の着物を着せる場面の流れるような所作は優美な雰囲気さえ漂う。まさに技術職

 県内では専門職としての納棺師はいないはず、と葬儀社の女性スタッフに教えてもらった。病院で死を迎えた人の場合、あの世へと旅立つ準備のほとんどは病院や葬儀社が担ってくれる

 死は人間にとって普遍的なものだが、家族などの身内が「おくりびと」として遺体に接し、死と向き合う場面は少なくなっている。死が遠い存在になっていると言えはしないか

 この映画は死ぬこと、そして生きることの尊さや、親子、家族のきずなを今一度深く考えるいい機会にもなりそうだ。そして映画を見る個々人の職業観もまた、問われることになると思う。(崎浜秀也)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年1月26日 
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