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旧盆で見られる珍しい風習「親に孝」親のご恩は深きもの・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 お迎えはしたもののもてなす側は大変だ。何しろ三度三度食事を出さなくてはならない。現世の人より世話がやけるのだ

 ただ、その際忘れてはならないのがミジヌク(水の子)を庭にまく儀礼だ。どんぶりに水と一緒に野菜の端切れなどを入れマヤーブ(メドハギ)の木の枝を使ってまき散らす。八重山の一部の旧盆ではいまでも見られる珍しい風習だ

 この儀礼、実は盆を象徴する大事なパフォーマンスなのだ。釈尊の弟子、目連(もくれん)は自分の母親が、餓鬼道に落ちて苦しんでいる様子を天眼通(てんげんつう)(神通力)で見た。そこで食事を差し上げようとする

 ところが母親が食べ物を口にしようとするとたちまち全て炎と化した。困った目連が釈尊に相談すると「汝の母は前世の罪根甚だ深く汝一人の力ではどうすることもできない。七月十五日に十万衆僧を供養したら救える」と言われた

 教えの通り実行すると母親はめでたく救われた。それが盆の始まりで盆に食物を盛って仏に供えるから盆というそうだ(宮城文著「八重山生活誌」)。ミジヌクの儀礼にその様子を見る思いだ

 儒教にも通じる「親に孝」の思想が盆の意義であることはこれで分かる。この時期しか歌えない「無蔵念仏(んぞうねんぶつ)節」(ニンブジャー)は「親のご恩は深きもの」と歌い出す。盆のすべてがそこにある。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年9月2日 
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