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見ようとしなければ何も見えない、いくつもの目線を持つことの大切さ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「鬼」は、気が荒く残忍な振る舞いをする想像上の怪物として知られる。自然界にも、形や大きさなどから、その名を冠した動植物は数多い

 なかでもオニヒトデは、サンゴが好物だけに、数が増えれば、沖縄の観光をも脅(おびや)かす存在になる。有毒にして不気味な無数の突起物。毒々しい姿形は、海のヒール(悪役)そのもの

 しかし、異形の鬼にも「優しい」一面があるらしい。愛媛大の水産研究センターの研究で、オニヒトデと同じ水槽で育てたマダイは、病気になりにくく、成長のスピードも増したことが分かった、という

 ヒトデが出す分泌物に、魚の白血球の働きを促し、免疫力を高める成分があるようだ。生命豊かな海で、「癒やしのオーラ」を出している、と思うと、厄介者とばかり思っていた印象も180度変わる

 食うものと食われるもの。自然界の生存競争は厳しい。一方で、イソギンチャクとクマノミのように寄り添って共生する関係もある。サンゴにとっては天敵のオニヒトデも、魚にとっては生きるよすがなのかもしれない

 この意外性に、多面的な生物の役割を知り、自然の奥行きの深さに触れた思いがする。一面的ではなく、いくつもの目線を持つことの大切さ。見ようとしなければ何も見えない、ということもまた教えてくれているようだ。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年9月7日 
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