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もう少し時間がほしい「裁判員裁判」判決が被害者や被告人の生き方を左右する・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 新聞作りには降版時間がある。出来上がった紙面を印刷部門へデータ送信する時間だ。配達に影響するため、遅れることは禁物。過密な時間との闘いに、冷房の利いた部屋でも汗が出る

 社内の会議や業務でもスピードが要求される。さまざまな問題に即対応。意見を求められたら十分に考える間もなく返答。そして、待っているのは後悔と自己嫌悪だ

 迅速さが裁判にまで求められるご時世になった。裁判員裁判。すでに10件ほど済んだが、審理が始まったかと思えば、数日で判決が出る。素人が裁くという重い現実を前に、この速さは、危うさがつきまとう

 審理で十分な質問はできたか。適切な結論へ向けて評議を尽くしたか。判決が被害者や被告人の生き方を左右するだけに、裁判員の会見では「もう少し時間がほしい」「評議が若干短い」などの感想も聞かれた

 評議では、さまざまな意見が交わされるようだが、審理内容を咀嚼(そしゃく)し、自分の考えを整理するには静かな時間と沈黙が必要だ。何より導き出した量刑を、被害者と被告人に納得してもらう説明は欠かせない

 そのためにも、裁判員が自分の人生観に照らし、市民の視点で審理に向き合うゆとりがほしい。では、どれほどの時間が必要か。その問いに答える術(すべ)は今はない。時間をかけてじっくり考えるしかない。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年9月14日 
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