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「頑張りましょう」社会を良くしたいと考え、黙々と自らの役割を果たしている方がいる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 書家で詩人の相田みつをさんに、「見えないところで」と題した短い作品がある。〈土の中の水道管/高いビルの下の下水/大事なものは表に出ない〉

 世の中には、陽が当たらなくとも、社会を良くしたいと考え、黙々と自らの役割を果たしている方がいる。先の詩は、そんな市井の人の尊さがわかる眼を持つことの大切さを説いたものだ

 5日朝、浦添市内で自動車にはねられて亡くなった劇作家の名護宏英さんも、相田さんの言う市井の人だった。享年74歳。巨漢に野武士のような風貌(ふうぼう)。「平和活動家」の顔も持ち、反基地集会には必ず姿をみせた

 彼には、朝夕の2回、新聞社に激励の電話を入れるという日課もあった。「いいニュース入ってますか」と切り出し、長くても数分程度。反基地・平和運動に話が及べば、言葉に熱を帯びることもあった

 以前、電話の件を尋ねたら、22年前の朝日新聞阪神支局襲撃事件後、「マスコミが萎縮(いしゅく)しないよう励ましたくて」と言っていた。以来、十数年にわたって受話器を握り続けてきた

 そんな「定時電話」が途絶えたのは数年前で、同僚からのメールで届いたのが突然の悲報だった。事故の概要を聞き、雨でぬれたアスファルトに倒れた姿が浮かび目を閉じる…。「頑張りましょう」。定時電話のあのフレーズをもう聞くことはできない。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月8日 
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