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生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 詩人の吉野弘さんに、「生命は」という作品がある。人は人と支え合い、助けあって生きることの大切さをうたっている

 〈生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい〉。花もめしべとおしべが揃(そろ)うだけでは不充分で、虫や風が訪れて仲立ちをする、と続く。「生命」は、「人」と読み替えることもできる

 先日、神奈川県の相模原沖縄県人会が催したチャリティー行事を取材し、詩の意味を痛感した。行事では、会員の知念孝雄さんの二女、依里さん(15)が患う進行性の小児難病「ムコ多糖症」に対する理解と支援を呼び掛けた

 6歳で発症した依里さんは、歩行も会話も難しい。有効な治療法も見つからず、睡眠障害と発作に苦しむ日々だ。現実は厳しくとも、知念さん家族が孤立せず、希望の光を目指して頑張れたのは、仲間の支えがあったからだろう

 「今後も、可能な限りサポートしていきたい」と玉那覇直会長。知念さんも周囲の支援に感謝しつつ、「同じ病気の子を抱えながらも、なかなか表に出られない方たちの分まで(啓発活動に)頑張りたい」と言う

 先の詩はこう結ばれている。〈私もあるとき/誰かのための虻だったろう/あなたも/あるとき/私のための風だったかもしれない〉。お二人の思いを表しているようでもある。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月29日 
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劇場探訪舞台裏「地謡のマイク」使わず地声の舞台に伝統芸能の本来の姿・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 芸能担当時代に「甘口辛口」というコラムを持っていた。日ごろの取材のなかで感じたことを皮肉や直言を混ぜて書いた

 そのなかで比較的話題になったのに「地謡マイク無用論」があった。各種芸能公演で日常的に見られ、疑問なく使われている地謡のマイク。実は要らないのではないかという提言だった。2週連続で書いた。それほど重い問題だった

 それから二十数年たって開場した国立劇場おきなわの客席に初めて座ったとき「これだ」と思った。マイクが使われていないのだ。まさにわが意を得たりである。でも、それは思い違いだった

 きのう10回目が掲載された本紙芸能面の連載「劇場探訪舞台裏アラカルト」を読んで驚いた。同劇場では地謡のマイクが客席からは見えないような造りになっているが、実は生の音とそれを補強する音を出しているというではないか

 人間の耳の錯覚を利用し、左右のスピーカーから音をずらして出すことで地謡の音楽が舞台そでから聞こえてくるような感覚になるというのだ。何だかだまされたような気分だが、これも技術

 地謡マイク無用論は那覇の沖映劇場で日舞の舞台を見たのがきっかけだった。同じ舞台なのに沖縄芸能のようにマイクを使わず地声なのだ。そこに伝統芸能の本来の姿があると思った。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月28日 
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魅力的な一冊との出合い「読書週間」選書と陳列の工夫で存在意義・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 本を読む楽しみは、魅力的な一冊との出合いによるところが大きい。時には娯楽を超え、その人の生き方にまでかかわることもあるから読書は奥深い

 出合いを求めて私たちがまず足を運ぶ場所は、大量の本が並ぶ書店や図書館だろう。また、新聞や雑誌の書評欄に目を通し、売れ筋のランキングをチェックし、面白そうなものに目星を付けたりする

 でも、こちらにその気がなければ本は近寄ってきてはくれない。筆者の場合、とりたてて目的の本がないまま書店や図書館に足を運んでも、読みたいものは見つからないことが多い

 書店大手の丸善は、目利きが選んだ本を並べたセレクト書店を書店内につくる実験を始めた(朝日新聞23日付夕刊)。人気の書評サイトの執筆者がプロデュースした〝書店内書店〟や作家・俳優の書棚を再現したコーナーも設けるという

 ネット上の書店や出版物のデジタル化が進みつつある中、実際の店舗を構える「リアル書店」が選書と陳列の工夫で読むべき本を提案し、その存在意義を問い直そうという取り組みらしい

 最近、久しぶりに実家の本棚を見て気が付いた。処分せず残していたのは、10代後半から20代前半にかけて読んだ本。ぱらぱらめくりながら、若き日の読書の濃密な記憶がよみがえった。きょうから読書週間。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月27日 
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対等な同盟関係「安全保障」理想を目指して国家を語ってほしい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 羊頭狗肉(くにく)。鳩山政権の米軍普天間飛行場をめぐる一連の動向に、その言葉が浮かぶ。岡田克也外相の「県外移設は考えられない」との発言に耳を疑った。熟慮の末の苦肉の策か

 民主党は沖縄ビジョンに「県外移設」を盛り込んだ。マニフェスト(政権公約)にこそ、明記されなかったが、長期的展望を見据えた理想のはず。先の発言は、原理主義者と評される岡田氏とも思えぬ変わりようだ

 しかも、外相は発言を「私見」とした。外相という立場にありながら日米関係の中枢にかかわる問題を個人的見解で語られてはたまらない。猫の目のように、くるくる変わる首相発言と相まって、このよろめきは気になる

 沖縄ビジョンを経て連立政権誕生で、「県外移設」の川の流れは「県外こそベスト」という県民の思いと重なり、わずかながらも水量を増してきた。しかし、早々と川は蛇行し、行く先も細るようだ

 国防長官ら米国の圧力は強い。統合参謀本部議長にいたっては、履行しなければ「安全保障提供は難しい」とまで言った。対等な同盟関係が絵空事だということを示す脅し文句だ

 現実の難題を前に、民主党は理想を遠ざけているようにも映るが、米国に付け入る隙(すき)を与えるだけだ。真の政治家なら理想を目指して国家を語ってほしい。政権政党の責任もそこにある。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年10月26日 
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