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両親に哀願する「お水を下さい」悲しいつぶやき・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 メーテルリンクの童話「青い鳥」で、子どもたちがこの世に生を受ける「未来の王国」の場面がある

 「王国」にいる子どもたちは皆、生まれる時を待っている。あらかじめ決まったお父さんやお母さんが「子どもが欲しい」と伝えると、その子は王国の扉を開け、地上へと降りたっていく

 われ先にと、はやる大勢の子どもたちの中に、こう泣きじゃくる一人の子が出てくる。「いやだ。いやだ。行きたくないんだ。生まれたくないんだ。ぼく、ここに残っていたいんだ…」

 児童ギャク待事件のニュースを見聞きするたび、そのセリフを思い出す。被害に遭った子の心の声にも聞こえるからだ。事件では、周囲が適切な対応をとっていれば助かったケースもあり、やりきれなさばかりが残る

 先週も奈良と埼玉で、両親から十分な食事を与えられず、5歳と4歳の男児が餓シする事件がたて続けに起きた。埼玉のケースでは、男児が「お水を下さい」と両親に哀願する声を近所の人が聞いていたが、最悪の結末を防げなかった

 「シにに行くんじゃないぞ。生まれるために行くんだ、さあ」。先の物語では、「王国」の番人はこう諭して嫌がる子どもを地上に送り出した。「やっぱり行かなければよかったんだ…」。亡くなった二人の男児の悲しいつぶやきが聞こえてくる。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年3月11日 
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