夏場の新聞はおもしろい。若いエネルギーがいっぱい詰まった宝箱・・・ 大弦小弦 八葉蓮華

　手前みそだが夏場の新聞はおもしろい。若いエネルギーがいっぱい詰まった宝箱のようだ。スポーツや文化行事がめじろ押しで、躍動感がみなぎっているからだ

　３日付の本紙は、三重県で開かれた全国高校総合文化祭での県勢の活躍を報じた。放送部門で那覇高校が１位相当の優秀賞、八重山農林高校は郷土芸能部門で最優秀賞に次ぐ文化庁長官賞を受賞した

　アスリートが勝利を目指し鍛錬を重ねるように、文化系の若者たちもまた、表現者として思いを伝えたい―と、日々感性を磨き、けいこを重ねる。それが作品や舞台となり、多くの人に認められた喜びはひとしおだろう

　受賞のコメントにも味わいがある。言葉の一つ一つに光る感性が感じられ、思わずはっとする。と同時に、磨かれた言葉の数々が心にじわりと染みてくる

　戦争体験を取材した那覇高校放送部。「砲弾が飛び交う中、この道を歩いたと思うと、きれいに整備された道を歩いている自分に気づいた」。五穀豊穣の喜びを踊りで表現した八重山農林高校。「私たちの舞台も豊作を迎えることができた」

　全英女子ゴルフで激しい首位争いを演じた宮里藍選手。終盤のダブルボキーを振り返り「パーを狙いにいった結果なので後悔はしていない」。いずれも至宝の言葉。心に染み勇気をもらった。（久高将己）

　大弦小弦　沖縄タイムス 2009年8月4日　
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