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親子の時間「独り立ち」人は誰もこの旅から逃げることはできない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先日、都内であった講演会で、全盲のピアニスト・辻井伸行さん(20)の母、いつ子さんのお話を聞き、親子の関係について考えさせられた

 視覚障害というわが子の運命に絶望するが、2歳の時、おもちゃのピアノを弾く姿に感激。音楽の才能を伸ばしてあげようと、息子の背中を優しく押し続け、6月の世界コンクール優勝で親子の夢は花開く

 だが、そこで待っていたのは、親子の「別れ」だった。いつも隣にいた母のもとを離れて、伸行さんがプロとして独り立ちを始めたからだ。「親としては寂しいが、人は誰もこの(子の自立という)旅から逃げることはできない」という言葉が耳に残った

 作家・井上靖は「人生」という詩で、わが子に地球の歴史を説明しながら絶句した、とする。地球が生成されてきた数十億年と比べると、わが子と過ごせる時間は、ほんの一瞬ということを悟ったからである

 手を引いていたヨチヨチ歩きのわが子が、いつの間にか走りだす。ちょっとした成長に喜び、驚いたあの日を振り返れば、あっという間だと痛感するだろう。詩にあるように、親子の時間は、はかないほどに短い

 今年の夏休みも既に折り返した。先の辻井いつ子さんの言葉通り、親子の「別れ」はすぐにやってくる。わが子との夏の楽しい思い出はつくりましたか?(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年8月13日 
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