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かけがえのない平和をかみしめながら、今年も夏の甲子園が始まった・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 8月には痛みと高揚がある。広島、長崎の「原爆の日」を経て終戦の日を迎える痛みと、全力で白球を追う球児を目の当たりにする高揚感だ

 91回を迎える夏の高校野球選手権。決勝でノーヒットノーランを達成したといえば、レッドソックスの松坂大輔投手(当時横浜高)が記憶に新しい。が、70年前の1939年にそれを成し遂げた人がいた

 和歌山・海草中の故嶋清一さん。キレのある直球とドロップを武器に、その年の大会で全5試合を1人で投げ抜き無失点。しかも準決勝と決勝はノーヒットノーランというドラマのような離れ業で甲子園を沸かせた伝説の投手である

 当時の映像を見ると、スリークオーター気味の左腕からの投球フォームは小気味よく、制球力は抜群だった、という。しかし、その逸材は学徒出陣で戦地へ行き、45年にインドシナ半島沖でナくなった。24歳の若さだった

 戦争がなければ、プロでも活躍し球史を変える選手だったと語る人もいる。嶋さんだけではない。残酷な仕打ちが、前途ある若い命を奪い、才能を打ち砕いた。人々を感動させたはずの輝きが永遠に失われた痛みが残る

 今年も夏の甲子園が始まった。残念ながら興南は敗れたが、懸命の球児たちが生み出す奇跡を目に焼き付けたい。かけがえのない平和をかみしめながら。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年8月10日 
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