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共に手を携えれば、茨の道が続こうと、平和へのために我歌わん・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 〈一本の鉛筆があれば/私はあなたへの愛を書く/一本の鉛筆があれば/戦争はいやだと私は書く〉

 「昭和の歌姫」と呼ばれた歌手の美空ひばりさんの「一本の鉛筆」という曲の一節である。幼少時代に横浜大空襲を体験、父が徴兵された美空さんにとって、唯一の反戦歌だった

 被爆した人たちを励まそうとつくられ、1974年の第1回広島平和音楽祭で美空さんによって初めて披露される。「歌姫」の熱唱は、「ノーモアヒロシマ」を願う人々に勇気を与えたのだろう

 あれから35年。今年4月、米国のオバマ大統領の核廃絶を目指すとのプラハでの演説が、世界中を驚かせた。「国家や人々の間にある溝に橋を懸け、共に手を携えれば(核廃絶は)実現できる」との言葉は、世界が変わりつつあることを予感させる

 ただ、大統領の決意を、「夢物語」と冷ややかに見る人たちもいる。北朝鮮の核開発の動きなど、国際政治の現実を持ち出し、核抑止論を頑なに唱える。核廃絶への道が平坦でないことも確かだろう

 美空さんは音楽祭でこう語っている。「茨の道が続こうと、平和へのために我歌わん」。美空さんの遺志を継ぎ、先の曲にこう加えたい。〈一本の鉛筆があれば/核のない世界を実現したいと書く〉。広島への原爆投下から64年のきょう、あらためて思う。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年8月6日 
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