SSブログ

国民の圧倒的な支持を得て「呑舟之魚」政権の座という「本流」に辿りついた・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 民主党の鳩山由紀夫代表が色紙に好んで書く言葉に「呑舟之魚(どんしゅうのうお)、不游枝流」がある。中国の古典「列子」の言葉だという

 「呑舟之魚」は、舟をひとのみするような巨大な魚の意味で、そんな大きな魚は、支流では泳がない。転じて、大物は小事にこだわらず、大きな夢や目標を持ち、それに向かい本流を求め堂々と泳いでいくのだと

 この言葉を鳩山氏が使い始めたのは約10年前、政権交代を誓い、新民主党を結成した頃だ。当時の議員集会の中で「(言葉の)意味をかみしめながら、大きな志を持って、政権をとる再出発としたい」と語っている

 その誓いから10年、民主党は文字通り、「呑舟之魚」に成長した。去る総選挙で、308議席を獲得する圧勝を収め、長年求めてきた政権の座という「本流」に辿(たど)りついたのである

 だが、夢にまで見た本流は、それほど甘くはない。長引く不況、医療、年金、膨らむ借金と、課題は山積である。本流の心地よさに浮かれ、泳ぎ方を誤れば、日本丸という「舟」もろとも激流にのみ込まれてしまう

 庶民の圧倒的な支持を得て到達した本流である。まずはお手並み拝見といきたい。ただ、「民意」の流れを読み違えれば、半世紀も本流を泳いできた自民党という「呑舟之魚」さえあえなく沈むのだということをお忘れなく。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年9月3日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

旧盆で見られる珍しい風習「親に孝」親のご恩は深きもの・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 お迎えはしたもののもてなす側は大変だ。何しろ三度三度食事を出さなくてはならない。現世の人より世話がやけるのだ

 ただ、その際忘れてはならないのがミジヌク(水の子)を庭にまく儀礼だ。どんぶりに水と一緒に野菜の端切れなどを入れマヤーブ(メドハギ)の木の枝を使ってまき散らす。八重山の一部の旧盆ではいまでも見られる珍しい風習だ

 この儀礼、実は盆を象徴する大事なパフォーマンスなのだ。釈尊の弟子、目連(もくれん)は自分の母親が、餓鬼道に落ちて苦しんでいる様子を天眼通(てんげんつう)(神通力)で見た。そこで食事を差し上げようとする

 ところが母親が食べ物を口にしようとするとたちまち全て炎と化した。困った目連が釈尊に相談すると「汝の母は前世の罪根甚だ深く汝一人の力ではどうすることもできない。七月十五日に十万衆僧を供養したら救える」と言われた

 教えの通り実行すると母親はめでたく救われた。それが盆の始まりで盆に食物を盛って仏に供えるから盆というそうだ(宮城文著「八重山生活誌」)。ミジヌクの儀礼にその様子を見る思いだ

 儒教にも通じる「親に孝」の思想が盆の意義であることはこれで分かる。この時期しか歌えない「無蔵念仏(んぞうねんぶつ)節」(ニンブジャー)は「親のご恩は深きもの」と歌い出す。盆のすべてがそこにある。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年9月2日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

変革への思い「一票の力」民の力で動かせる、もっと幸せな世に・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 お迎えするに当たり、報告しておきたいことがあります。現世の雰囲気が去年と少し違うなら、たぶん去った日曜の選挙のためです。その結果には、ご先祖様もびっくりすることでしょう

 それは、永く国を治めていた長老勢力が、一夜にして新興の若侍集団に取って代わられたようなもの。自民・公明の与党と野党民主党の勢力がそっくりそのまま入れ替わるという、前代未聞の結果でした

 いわば「革命」です。これが戦国時代だったら武力や流血がつきものだったでしょう。今回の「革命」は選挙という手段で民が意思表示した結果です。でもこれほど劇的な形になったことは、経験したことがありません

 これまで私たちは、一票の力を十分信用していなかったように思います。その力を過小評価するあまり、世の中を変えることへの無力感や政治への無関心もまん延していました

 でも今回は多くの人が、変革への思いを一票に託しました。そして変化は起こり、人々は歴史の当事者となりました。不動と思われていたものが、民の力で動かせることを知りました

 不況続きで、仏壇の供え物も十分ではありませんが、ゆっくり滞在してください。気が早いですが、来年はもっと幸せな世にします。それは私たちが選択した政治に対する責任でもありますから。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年9月1日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

一人一人の依存心や無力感「針が大きくふれる」何ものも頼らず自らの思考と足で立つ・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 茨木のり子さんの詩に「苦しみの日々/哀(かな)しみの日々/それはひとを少しは深くするだろう」という作品がある。小泉政権後を振り返り、その詩を思い出した

 「いざなぎ超え」の景気で潤った企業や勝ち組は、春を謳歌(おうか)したが経済指標が示すほど、生活が豊かになった実感はなかった。むしろ、格差や貧困の暗雲が広がり、ささくれだった人の心は金融危機のどしゃ降りに遭った

 政治家のワンフレーズに飛びつく安直さがなかったかとの自戒もある。今までの状況を生み出したのは一人一人の依存心や無力感だったと。「政治で生活は変わらない」との思いが国に向ける視線を虚(うつ)ろにしたのではないか

 茨木さんの詩はこう続く。「さなかには心臓も凍結/息をするのさえ難しいほどだが/なんとか通り抜けたとき 初めて気付く/あれはみずからを養うに足る時間であったと」

 暮らしが行き詰まる中、多くの人が、「政治=生活」と感じ国を変える力を取り戻したいと望んだ。その結果が今選挙での地殻変動だ。しかし、郵政選挙の時といい、針が大きくふれるさまは、地に足がつかないようで落ち着かない

 茨木さんには「倚(よ)りかからず」という詩もある。何ものも頼らず自らの思考と足で立つ。聞こえのよいマニフェストのフレーズに惑わされず政治と向き合う時がきた。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年8月31日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。